2016年6月20日月曜日

よく生きる通信 Vol.24「横から目線で人を見る」

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         ★よく生きる通信 vol.24★
           2016年6月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

いよいよ梅雨が到来し、蒸し暑さが徐々に増してきましたが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私の家には冷房がないので、暑い時はもっぱら扇風機のお世話に
なるのですが、今年もそろそろ納戸から引っ張り出してこないと
いけないかなと思っているところです。

それでは、「よく生きる通信」Vol.24をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「横から目線で人を見る」
2.よく生きるインフォメーション:
・2016/7/23-24  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/9/10-11 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/10/8-10 アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・
女神山)
・2016/7/13  より良い未来&人生のために(東京・国分寺)
3.よく生きるリソース:「自分の小さな箱から脱出する方法」
アービンジャー・インスティチュート著(大和書房)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「横から目線で人を見る」

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よく「上から目線」という言葉を耳にしますが、これはたいてい
「人を見下している」とか「偉そうな」といった否定的な意味合い
で使われていますね。では、上から目線にならないためには、逆に
「下から目線」になればいいのでしょうか?「人を見上げる」と
いうと、相手を尊敬したり、相手に憧れたりという、どちらかと
言えば肯定的な意味合いがありますし、偉そうでないとすれば
「謙虚」という、これまた肯定的な意味合いを含んでいます。

しかし、「上から目線」も「下から目線」も、ともに人を上下の
関係で見ることには変わりなく、そのこと自体が多くの問題を
もたらしていると私は考えています。福沢諭吉がかつて「天は人の
上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言ったように、本来
人には上下はないはずなのに、私たちにはどうしても人を上下で
見てしまう癖があるようです。何を基準にして上とか下とか言うか
は、社会的な地位だったり、経済的な豊かさだったり、年齢だった
り、学歴だったり、体格だったり、容姿だったり、何らかの能力の
差だったりと様々ですが、多くの人はほとんど無意識のうちに
これらのものさしを使って他人と自分を引き比べているのでは
ないでしょうか?

先ほど、「人を上下の関係で見ること自体が多くの問題をもたらし
ている」と書きましたが、これは誰かに「上から目線」で見られて
いる人だけでなく、誰かを「上から目線」で見ている人にとっても
言えることだと私は考えています。もしもあなたが誰かに「上から
目線」で見られたとしたら、どんな想いがするでしょうか?きっと
自分の尊厳が傷つけられたような気がするはずです。一方、誰かを
「上から目線」で見た時はどうでしょうか?その瞬間は優越感に
浸れるかもしれませんが、よく言われるように、優越感は劣等感の
裏返しなので、その人はどこかで自分自身を見下している、すな
わち「上から目線」で見ていることになるのです。

実際、レストランなどでウエイトレスの人にぞんざいな口をきいて
いた人が同じテーブルに座っていた自分より立場が上の人(だと
本人が思っている)にへりくだった口のきき方をしているのを何度
か見たことがあります。私はそういうシーンに遭遇すると悲しく
なります。何が悲しいかと言うと、見下されたウエイトレスさんの
気持ちを慮ると同時に、その人自身が日々自分を見下していること
の辛さを想うと何とも言えず悲しい気持ちになるのです。

この「上か下か」という、自分にも他人にも痛みをもたらすシー
ソーゲームから脱出するための鍵は、「横から目線」で人を見る
ことだと私は思います。単純なようですが、上でもなく下でもない
とすれば、横からしかない、そう思うわけです。相手がどんな立場
の人であれ、自分と対等な存在として見る。これは言うは易しです
が、特に人をずっと上下で見てきた人にとってはそう簡単にできる
ことではありません。

人を「横から目線」で見る上で一つ大事なことは、好奇心をもって
その人のことをありのままに見ることだと思います。なぜなら、
そのこと自体が相手を尊重する行為であり、それをした時点で
すでに目線が上から(あるいは下から)横にシフトしたことを示し
ているからです。
(榎本 英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】
・日程:2016年7月23日(土)・24日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/357670/

【天職創造セミナー】
・日程:2016年9月10日(土)・11日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/382394/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】※
・日程:2016年10月8日(土)~10日(月・祝)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円 早割特典あり(詳細は以下のリンクでご確認
ください)
・定員:24名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/382396/

※この回をもって、当面よく生きる研究所主催で行う「アクティブ・
ホープ・ワークショップ」は最後となりますので、ご関心のある方
はぜひこの機会にご参加ください(6月末まで早割特典をご活用
いただけます)。

<<その他、榎本が登壇予定の公開イベント>>
【より良い未来&人生のために ~トランジション藤野からの提案】
・主催:スロースクール夜間部
・日程:2016年7月13日(水) 19:00-21:00
・会場:東京・国分寺市 カフェスロー
・参加費:2,000円(ワンドリンク付き)
・定員:30名
・詳細:https://www.facebook.com/events/1748613378761437/
・お申し込み:yakanbu.club@gmail.com

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3.よく生きるリソース 「自分の小さな箱から脱出する方法」
  アービンジャー・インスティチュート著(大和書房)

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本書の日本語訳が出版されたのは2006年なので、もう10年ほど前に
なりますが、最近、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手がある新聞の
書評欄で取り上げたことがきっかけで、多くの書店で平積みに
なっているのをよく見かけるようになりました。

原書のタイトルは「Leadership and Self-Deception」で、その
まま訳すと「リーダーシップと自己欺瞞」となります。つまり、
これはもともとリーダーシップの文脈で書かれたものなのですが、
そこに紹介されているコンセプトは広く一般的な人間関係に応用
できる、汎用性の高いものだと思います。そういう意味では、日本
語版のタイトルの方がこの本の内容にふさわしいかもしれません。

そのタイトルにある「箱」というのが本書のキーコンセプトなので
すが、相手の人をありのままに見ずに、自分に都合がいいように
歪めて見てしまうことを「箱に入る」と言います。そして、箱に
入ったままの状態で相手と関わると、有意義で効果的な人間関係を
築くことが難しくなってしまうと著者は主張します。

そもそもなぜ箱に入ってしまうかというと、本来人間は誰かの役に
立ちたいと思っているんだけれども、何らかの事情でその思いに
したがわないと、今度は自分を正当化したり、相手を責めたりする
ようになり、ついには箱に入ってしまうというわけです。たとえば、
ある人が電車に乗って座っていたら、目の前にお年寄りが立ったと
しましょう。そして、その瞬間、その人は立って席を譲ろうと
思ったのですが躊躇してしまったとしましょう。さて、その時その
人の中では何が起きるでしょうか?「俺は仕事で疲れてるんだ」と
自分を正当化したり、「人の目の前に立つなんて、なんてずうずう
しい年寄りなんだ」と相手を責めたり、といったことが起きるかも
しれませんね。これこそがまさに「箱に入る」ということなのです。

では、どうしたら箱から出られるのか?本書によれば、それは、
相手も自分と同じニーズを持った尊重すべき1人の人間であると
見ることであると言います。つまり、今回の「よく生きるコラム」
で取り上げた「横から目線」で人を見るということと基本的に同じ
ことです。本書を読むと、なぜ人は「上から目線」(あるいは
「下から目線」)になり、どうしたらそれを「横から目線」に
シフトできるかということについてたくさんのヒントが得られる
ことと思います。

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4.編集後記

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先月後半、北京郊外で3月の上海郊外に続き、2回目の「アクティブ・
ホープ・ワークショップ」を開催してきました。

昨年から約3ヶ月に1回のペースで中国に通っていますが、リーダー
シップ・プログラムやアクティブ・ホープ・ワークショップを
通じて深く関わる中で、ますます「横から目線」で中国の人たちと
接することができるようになってきた気がします。

それまでは、正直に言って、よく知らないが故にどうしても
「中国人」というラベルで見てしまっていましたが、1人ひとりを
知れば知るほど、その魅力が伝わってきて、愛すべき存在になって
いきました。やはり人として直接つながることって大事なんだなと
つくづく感じた次第です。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

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