2020年7月7日火曜日

よく生きる通信Vol.38 「お金は報酬ではなく、資源である」


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              ★よく生きる通信 vol.38★
               2020年7月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

今日は七夕の日。コロナウイルスの感染が一日も早く終息し、
再び安心して暮らせる日が来ることを心から祈るばかりですが、
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、約3ヶ月ぶりとなる「よく生きる通信」をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「お金は報酬ではなく、資源である」
2.よく生きるインフォメーション:
・天職創造セミナー(オンライン) 8/29-30
・本当の自分を生きる塾(オンライン) 9/23-2021/1/6
3.よく生きるリソース:「ソウル・オブ・マネー」
リン・トゥイスト著(ヒカルランド)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「お金は報酬ではなく、資源である」

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今回のコラムでは前回に引き続き「お金」というテーマについて
取り上げたいと思います。前回は「お金はなくてはならないもの」
という多くの人があたかも絶対的な真実のようにとらえている
考え方が、いかに根拠を欠き、危険性を孕んだものであるかに
ついて語りました。今回は「お金は報酬ではなく、資源である」
というタイトルで、お金を得ることの意味について私が考えて
いることを書いてみたいと思います。

多くの人は、お金とは自分が何らかの仕事をして得られる「対価」
ないしは「報酬」だととらえています。つまり、自分がその仕事
を通じて他者や世の中に対して果たした貢献に対する「ご褒美」
としてお金は与えられるものだと考えているわけです。もちろん、
お金にはこうした報酬的な側面があることは私も否定しませんが、
もしもお金をその側面からしか見ないとしたら、それはどこか
偏りがあるように感じずにはいられません。

こうしたとらえ方をすることの1つの問題点は、お金をどれだけ
得ているかで、その人がどれだけ他者や世の中に対して貢献して
いるかが決まるかのような考え方につながりやすいところです。
つまり、お金を多く得ている人はそれだけ貢献していて、お金を
少ししか得ていない、あるいはまったく得ていない人はあまり
貢献していないというわけです。しかし、それは真実ではありま
せん。通常、収入をまったく得ていない主婦が日々家族に対して
果たしている多大な貢献や同じく無報酬で何らかの奉仕活動に
勤しむボランティアの人たちが果たしている貢献を考えればすぐ
にわかりますが、その人がどれだけ貢献しているかは決してお金
で計ることができません。にも関わらず、お金を単純に報酬と
見る考え方にとらわれていると、お金を十分に得ていない人たち
自身が自分のことを役に立たない存在として低く見てしまうこと
にもなりかねません。

「お金=報酬」という考え方のもう1つの問題点は、お金を自分
がそれまでにやったことの最終的な「結果」あるいは「成果」と
してとらえ、それを自分が使いたいように使う「権利」を得たと
いうふうに考えてしまいがちなところです。そして、この考え方
が前回のコラムで述べた消費者的な考え方の温床となるのです。
それも1つの考え方ではありますが、逆にお金をその人が自らの
人生の目的、すなわち自分はこれをするために生まれてきた
という目的を実現するための「資源」であるととらえることも
できるのではないか、と私は考えています。そして、そう考える
とお金を得ることはそれによって何かを消費する権利を得るだけ
でなく、それを活かして何かを生み出す「責任」が生じるという
ことでもあるのではないかと思うのです。責任という言葉が
重過ぎるようであれば、お金を得ることで自分の人生の目的
に沿って何かを創造する「機会」が与えられたと言ってもいい
かもしれません。

では、お金をあまり得ていない人たちにはそういう機会が与え
られていないのかというと、そんなことはありません。幸いな
ことに、お金は自分の人生の目的に沿って何かを創造するため
の唯一の資源ではありません。実際、それをするための資源は
お金以外にたくさんあります。自分が持つ知識やスキル、経験、
情熱だけでなく、時間や健康、そして人間関係など、それは多岐
にわたります。「お金がないと何もできない」という言葉をよく
耳にしますが、それはその数多ある資源の中の1つに過ぎない
お金を過大視してしまっていることからくるものだと思います。

実際、私はその人が自らの人生の目的に沿って生きるために必要
な資源は必ず与えられると信じています。ただ、それが必ずしも
お金という形を取るとは限らないということです。そして、そう
した資源に気づくためには、まずお金を報酬、すなわち自らの
貢献度合を計る絶対的な尺度としてとらえるのをやめ、それを
含めたあらゆるものが自分の人生の目的に沿って生きられるよう、
資源として常に与えられているということに対して心を開く必要
があると私は思います。さて、あなたの人生には今どのような
資源が与えられているのでしょうか?そして、それらの資源を
活かしてあなたは自らの人生を通して何を創造したいのでしょう
か?
(榎本英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催イベント>>

・天職創造セミナー(オンライン)8/29(土)-30(日)
  https://kokucheese.com/event/index/593387/
・本当の自分を生きる塾(オンライン)9/23(水)-2021/1/6(水)
  https://kokucheese.com/event/index/598271/

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3.よく生きるリソース 「ソウル・オブ・マネー」 
リン・トゥイスト著 (ヒカルランド)

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著者のリン・トゥイストさんは米国のNPOザ・パチャママ・アライ
アンス(The Pachamama Alliance)の共同創設者で、世界的な
ファンドレイザーとして知られています。私はこのNPOが開発した
“Awakening the Dreamer, Changing the Dream Symposium
(日本語名:チェンジ・ザ・ドリーム)”を始めとした持続可能な
未来を創るための各種プログラムを日本に紹介すべくNPO法人
セブン・ジェネレーションズを10年ほど前に仲間と立ち上げた時
から個人的にも親しくさせていただいており、彼女が日本に来日
した時には2回ほど一緒に数百名規模のイベントをファシリテー
ションさせていただいたこともあります。

彼女は世界的なファンドレイザーですが、それは単にお金を集め
るのが上手だからということではなく、お金とは何か、その本質
について深く理解しているからであるということが本書を読むと
よくわかります。彼女は本書の中でお金とは水のようなもので、
それは私たち一人ひとりの意図や意志を運んでくれる道具である
と語っています。つまり、そこに愛を注ぎ込めば愛を運んでくれ
るし、逆に恐れを注ぎ込めば、それは恐れを運びもするものだと
言うのです。そして、現代社会を生きる多くの人たちはお金に
恐れを注ぎ込んでいて、それは「充分には無い」「多ければ多い
方がいい」「それは、そうと決まっている」という、彼女が
「欠乏の神話」と呼ぶ3つの幻想がそうさせていると言います。

では、どうすればいいのか?彼女は「必要なものはすでに充分
ある」という充足思考にシフトすることが鍵を握っていると本書
の中で語っています。今回のコラムで書いたことと結び付ければ、
お金を報酬ととらえるのは、与えられる人と与えられない人が
いるという意味で欠乏思考に基づいており、それを数多ある資源
の1つととらえるのは誰にでもその人が必要とするものが与え
られるという意味で充足思考に基づいていると言うことができる
と思います。

著者のリンさんも本書の最後の方で次のように述べています。
すなわち、充足思考に基づいて自分が心から実現したいことに
コミットした時、「あなたはあなた自身の持つ『本当の財産』に
アクセスします。それらは、金銭的なものだけでなく、あなたの
才能や、人間関係、お金以外の価値も含むのです」と。お金と
自分自身の関係を変え、それによって自分や世界の未来をも変え
たいと願う人たちにとって、本書は必読の1冊であると言えるで
しょう。

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4.編集後記

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実は本日7月7日は、私が2000年に設立したCTIジャパン(現・
ウエイクアップ)というコーチングやリーダーシップに関する
プログラムを提供する会社の20回目の設立記念日となります。
すでにその経営からは完全に手を引いていますが、あれからもう
20年の歳月が過ぎたのかと思うとやはり感慨深いものがあります。

本当は先の週末に20周年を記念した盛大なイベントを開催する
ことが予定されていて、私も参加するつもりだったのですが、
このコロナ禍で残念ながら中止となってしまったので、今日は
ワイン片手に1人静かに祝いたいと思います。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

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