2018年6月19日火曜日

よく生きる通信Vol.30「What's the best use of me?」

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         ★よく生きる通信 vol.30★
          2018年5月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

気持ちの良い天気が続いておりますが、皆さんにおかれましては
いかがお過ごしでしょうか?

私の方は先月、珍しく国内・海外含めて出張がなく、平穏な日々
を過ごすことができました。年明けから最初の3ヶ月は出版記念
イベントの全国キャラバンなどもあってことさら忙しかったので、
ようやく一息つけた感じがしています。

さて、約3ヶ月ぶりの「よく生きる通信」をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「What’s the best use of me?」
2.よく生きるインフォメーション:
・6/14(木)東京・銀座 home主催「本当の自分を生きる」
・6/17(日)東京・渋谷 社会の未来を考えるホリスティック教育
研究所主催 「本当の自分を生きる~シュタイナー教育の原点~」
・7/15(日)東京・西荻窪 「生き方の「枠」を超える対話
~A・live」
3.よく生きるリソース:「『本当の大人』になるための心理学」
諸富 祥彦著(集英社新書)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「What’s the best use of me?」

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“What’s the best use of me?” これは折に触れて私が自分に
対して投げかける問いです。日本語で言うと、「自分のベストな
使い方は何か?」「自分をもっとも活かせることは何か?」と
いった表現になるでしょうか。実は、この問いは私が長年関わって
きたCTIの創設者の一人であり、かつて自分のコーチでもあった
故ローラ・ウイットワース氏が生前によく口にしていた言葉です。
それがいつの間にか私の脳裏に刻み込まれ、自分にとってもっとも
大切な問いの1つになったのです。

一方、これと一見形は似ているけれど、まったく異なる方向性を
持っている問いに”What’s in it for me?”いうものがあります。
日本語で言うと、「自分が得られることは何か?」というような
意味になります。この問いは関心がひたすら自分に向いています。
逆に、”What’s the best use of me?”の方は関心が外に向いて
います。同じ“me”という言葉を使っていても、後者の問いの
“me”は主語というよりは目的語であり、どうしたら自分という
資源を周りの人たちや世の中にもっとも役に立つ形で活かすこと
ができるのかを問うているのです。

「ギブ・アンド・テイク」という表現がありますが、“What’s
in it for me?”の方は「テイク」、すなわち自分が一体何を得ら
れるのかを問うているのに対し、“What’s the best use of me?”
の方は「ギブ」、すなわち自分が一体何を与えられるのかを問うて
います。先ほどこの2つの問いは「形は似ているけれど、まったく
異なる方向性を持っている」と書いたのはそういう意味です。
ある選択肢を前にした時、つい前者のような問いを自分に対して
投げかけてしまっている人が多いのではないでしょうか?

ここで、次のような疑問を持たれる方がいらっしゃるかもしれ
ません。すなわち、「でも、ギブばっかりだったら自己犠牲に
なってしまって辛いのではないか?」という疑問です。これは
もっともな疑問だと思いますが、実は“What’s the best use of
me?”という問いの優れた点は、その問いが意味するところを
正しく理解しさえすれば、決して自己犠牲にならないどころか、
自分にも周りの人たちにも大きな喜びをもたらすことができる
ところなのです。

そんな理想的な状態を実現するための鍵を握っているのは問いの
中にある“best use”という言葉です。これは自分という資源の
「最高な使い方」をするということですが、ではどうしたら
それは可能になるのでしょうか? 私は、それが自分にとっての
“best use”となるかどうかを考えるにあたって、以下の3つの
ことを意識しています。すなわち、1)それは今、自分が心から
やりたいことか? 2)それは今、周りの人たち、あるいは世の
中から求められていることか? 3)それは今、自分にしかでき
ないことか? あるいは、今それをやるのにもっともふさわしい
のは自分か? の3つです。これらすべての問いに自信を持って
「イエス」と言える時、それは自分にとっての“best use”と
なります。そして、自分をそういう形で使えた時、自分にも
周りの人たちにも大きな喜びをもたらすことができるのです。

現在、私自身が自分の“best use”だと感じて力を入れている
のは中国での活動です。数年前から、これまで私が日本でやって
きた様々な活動、たとえばCTIのリーダーシップ・プログラム、
アクティブ・ホープ、天職創造セミナー、さらにトランジション
・タウンといった活動やプログラムを中国に紹介し、それを拡げ
る活動に取り組んでいます。この活動がこの先何につながって
いくのかはわかりませんが、これが今、自分がやるべきことだ
ということには何の疑問もありません。ただ、これをこのまま
ずっと続けていくかどうかはわかりません。“best use”が何で
あるかは時に応じて変わっていきます。だからこそ、常に「今、
どうなのか?」を問うことが重要なのです。

さて、あなたにとって今、自分の“best use”は一体何だと思い
ますか?
(榎本英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<榎本が登壇する予定のイベント>>

【本当の自分を生きる~榎本英剛さんと考えるこれからの生き方】
・日時:6/14(木) 19:00-21:30
・場所:東京・銀座 文祥堂オフィス
・参加費:一般3,000円 学生2,500円(ドリンク、軽食込み)
・主催:home
・詳細:https://www.facebook.com/events/187257368748567/

【本当の自分を生きる~シュタイナー教育の原点】
・日時:6/17(日) 14:00-17:00
・場所:東京・渋谷 青山学院大学 総研ビル14号館 509教室
・参加費:前売 一般3,000円 学生1,000円
     当日 一般3,500円 学生1,500円
・定員:40名
・主催:社会の未来を考えるホリスティック教育研究所
・詳細:https://www.facebook.com/events/1012325902250623/
※副題にありますように、このイベントは主にシュタイナー
教育に関心がおありの方を主な対象としたものであること、
予めご了承ください。

【生き方の「枠」を超える対話~A・live】
・日時:7/15(日) 13:30-17:30
・場所:東京・西荻窪 ほびっと村 
・参加費:6,000円
・定員:30名
・主催:ほびっと村
・詳細:www.nabra.co.jp/hobbit/
※なお、このイベントの詳細が上記URLに掲載されるのは6月上旬
になる予定です。お申込の受付もそれ以降になりますこと、予め
ご了承ください。

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3.よく生きるリソース 「『本当の大人』になるための心理学」 
諸富 祥彦著 (集英社新書)

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著者の諸富祥彦さんは現在明治大学で心理学を教える傍ら、カウン
セラーとして精力的にカウンセリング活動を行っておられます。
心理学にはいくつかの分野がありますが、その中でも人間性心理学
やトランスパーソナル心理学といった自己実現および自己超越など
のテーマを扱っておられ、著作も多数お持ちです。

まだ直接お目にかかったことはないのですが、共通の知人が多く
いることもあって、お名前は随分と前から伺っていました。過日、
そんな共通の知人の一人から、私の新著『本当の自分を生きる』と
内容が重なるところがたくさんあるから一度ぜひ読んでみてほしい
と手渡されたのが本書でした。

最近少し時間に余裕があったこともあり、そのことを思い出して
実際に読んでみたのですが、本当に内容的に重なる部分が多くて
驚きました。こう書くとおこがましい感じがしますが、ここまで
似たような考え方をされている方がこの世の中にいるということに、
ある種の不可思議さと親近感を感じずにはいられませんでした。

本書はそのタイトルが示すように、「本当の大人」になるためには
どうしたらいいかについて書かれたもので、特に中年期以降は
それまでのように外的な成功を目指すよりも、内的な成長・成熟を
目指すべきではないか、というのが著者の主張です。そして、その
「内的な成長・成熟」に必要なことは何かについて様々な心理学の
知見を引用しながら説得力のある形で述べられています。

たとえば、「魂のミッションを果たしている」という感覚を持つ
ことが内的な成熟に必要な要素の1つとして紹介されていますが、
それは私が『本当の自分を生きる』の中で「人生の目的」という
表現を使って述べていることとほぼ重なっており、まさに「我が
意を得たり」と思わず膝を打ってしまいました。

おもしろかったのは、その中で「問いが反転する」ということに
ついて書かれていたことです。人は内的な成熟が進むにつれて
自らに投げかける問いが「私はどう生きていきたいのか?」と
いった「私」中心の問いではなく、「私の人生は私をどこに
導こうとしているのか?」といったように、あたかも人生その
ものに問われているような感覚に変わっていくとのこと。これは
今回のコラムで紹介した“What’s in it for me?”と“What’s
the best use of me?”という問いの違いと、若干ニュアンスは
異なるものの似ているところがあるなと感じました。

「本当の自分を生きる」というテーマについて、少し違った
切り口から考えてみたい人にはお薦めの一冊です。

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4.編集後記

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先週まで10日間ほど中国に滞在し、2つのトレーニングを実施して
きました。中国の人たちと本格的に関わるようになって約3年に
なりますが、今回はこれまでよりもう一段深いレベルで彼らのこと
を理解できたような気がしています。

それは彼らの多くが共通して心の奥に抱えている痛みというか、心の
叫びのようなものです。その痛みに耳を傾けているうちに、これから
も引き続き彼らと関わり続けていきたいという気持ちが沸々と自分の
中から湧いてくるのを感じました。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
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