2014年10月8日水曜日

よく生きる通信 Vol.12「痛みの奥には愛がある」

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         ★よく生きる通信 vol.12★
           2014年10月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

きょうは約3年ぶりに皆既月食が見られるそうです。
19時半頃から約1時間も完全に月が姿を消す本格的な
皆既月食のようで、台風と台風の間にはさまれ天候的にも
絶好の観測日和とのこと。
ぜひ皆さんもご覧ください。

それでは、「よく生きる通信」の第12号をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「痛みの奥には愛がある」
2.よく生きるインフォメーション:
・11/7-9 アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
・12/20-21 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・11/23  アクティブ・ホープの輪を日本に広げよう(京都・上京区)※
・11/24  アクティブ・ホープの輪を日本に広げよう(東京・目黒)※
※・・・他団体主催イベント
3.よく生きるリソース:「みんなの楽しい修行」
            (中野民夫著 春秋社)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「痛みの奥には愛がある」

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「痛みの奥には愛がある」。これは私の人生における師の1人で、
仏教学者にして社会活動家でもあるアメリカ人のジョアンナ・
メイシーの言葉です。「痛み」と「愛」。一見すると、互いに
相容れない感じがするこの2つの言葉が実は深いところでつな
がっていると彼女は言います。

ジョアンナは今世界で起きているあらゆる問題の根源は、私たち
1人ひとりが自分や他者、他の生き物、自然、地球、宇宙、そして
過去や未来などあらゆるものとのつながりを失ってしまったこと
にあると考え、彼女が開発した「つながりを取り戻すワーク」を
通じて、人々がその失ったつながりを取り戻すのを世界中で支援
してきました。

「つながりを取り戻すワーク」には中心となる要素が4つほどあり、
そのうちの1つに「世界に対する痛みを大切にする」というのが
あります。なぜ痛みを大切にする必要があるのか?通常、痛みは
できるならば感じたくないものであり、もしも感じてしまった
としたらなるべく早く手放したいものであるはず。でも、そこに
こそつながりを取り戻すカギがあるとジョアンナは言うのです。

なぜなら、痛みを感じているということは、とりもなおさず、
その痛みを感じている対象や事柄に対して愛情を感じている
ということの裏返しであり、愛情を感じているからこそ、それが
失われたり傷つけられたりすることに痛みを感じているのだ、と。
これが「痛みの奥には愛がある」という言葉が意味することなの
です。

痛みはいろいろなかたちをとります。悲しみや恐れ、怒り、そして
虚しさや絶望。そのかたちが何であれ、痛みを感じるということは
その人が何かを愛しているということの表れなのです。たとえば、
我が子の身に何かがあったらどうしようと恐れ、実際に何かあった
ら悲しんだり、怒ったりするのはその子を愛しているからでしょう。

それは対象が我が子のように身近な存在でなくても、世界で起きて
いることに対してあなたが何か痛みを感じているとしたら、それは
そのことをあなたが心から大切だと思っているということに他なら
ないのです。そうだとすると、痛みを感じないようにしたり、感じ
たらそれを抑えつけようとしたりすると、その奥にある愛まで抑え
つけてしまうことになります。言うまでもなく、愛こそがつながり
を取り戻すエネルギー源であるわけですから、そんなことをしたら
ますますつながりを失いかねません。

そうではなく、私たちが世界に対して感じている痛みをあえて
大切にすることで、私たちは自分の中にある愛に目覚め、どんなに
痛みを感じるような状況に置かれても、つねに前を向いて自分が
できる限りのことをするための力が湧いてくる。これこそが「痛み
の奥には愛がある」という短い言葉に込められたジョアンナの
メッセージなのです。

※来月行われるいくつかの「アクティブ・ホープ」関係のイベント
はすべてジョアンナ・メイシーが開発した「つながりを取り戻す
ワーク」を紹介したり、体験していただいたりするためのものです。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
(榎本 英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】
・日程:11月7日(金)~9日(日)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円 
・定員:30名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/193057/

【天職創造セミナー】
・日程:12月20日(土)・21日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/211540/

※主催は「よく生きる研究所」ではありませんが、以下のイベントに
登壇します。

【アクティブ・ホープの輪を日本に広げよう in 京都】
・日程:11月23日(日) 13:00-17:00
・会場:京都・上京区 Impact Hub Kyoto
・参加費:4,000円 ユース割引(30歳未満)2,500円
・定員:30名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/222603/

【アクティブ・ホープの輪を日本に広げよう in 東京】
・日程:11月24日(月・祝) 13:00-17:00
・会場:東京・ Hub Tokyo
・参加費:4,000円 ユース割引(30歳未満)2,500円
・定員:40名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/222598/

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3.よく生きるリソース 「みんなの楽しい修行」
            (中野民夫著 春秋社)

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著者の中野民夫さんは現在、同志社大学政策学部・大学院総合政策
科学研究科の教授として「至福の追求と社会変革」をテーマに参加型
授業を展開されています。もともとは大手の広告会社に勤めながら、
「ワークショップ」や「ファシリテーション」を日本に広めた人で
あり、実は今回の「よく生きるコラム」で取り上げたジョアンナ・
メイシーの「つながりを取り戻すワーク」を日本に初めて紹介した人
でもあります。

私にとってはアメリカの同じ大学院で同じ学科を卒業した先輩に
あたる人で、そのご縁もあって「自分という自然に出会う」という
ワークショップ・シリーズでご一緒させていただくなど、20年来の
お付き合いをさせていただいています。

本書はそんな中野さんがこれまでの様々な体験を通して思索を重ねて
こられたことを「修行」という切り口でまとめられたものです。
修行というと普通は「辛いもの」「苦しいもの」というイメージが
ありますが、タイトルにもあるように、中野さんは修行でもなんでも
楽しくなければ続かないし、続かなければ意味がないということで
自分に合った修行を見つければいいと言います。そして、その参考
として、ご自分がやられてきたことを「2つの基本と8つの道」
というかたちにまとめ、わかりやすく解説されています。

ちなみに、「2つの基本」とは「自分の至福についていく」と「今
ここをマインドフルに」の2つで、「8つの道」とは「身体と呼吸と
心を調える」「食生活を正し農に触れる」「外と内の自然を体験する」
「多様な人々と対話をする」「未知なる異世界を旅する」「目の前の
仕事をやりきる」「もっと気楽にアートする」「祈ることと感謝する
こと」の8つです。

読んでいて、上記の1つひとつの項目やその内容も参考になるのは
もちろんのことですが、一番共感したのは社会変革を志すので
あれば、まず自分という「器」をととのえる必要があるのではないか、
そしてそのためには「日々少しずつおこない身につけていくこと」
としての修行が必要だし、それは本来、「人間の根源的な歓びに通じ、
人生を充実した豊かなものにしてくれるもの」なのではないか、
ということ。そして、そうやって1人ひとりがいい状態になれば、
それが波紋のように広がって社会全体がよくなるのではないか、
という中野さんの主張です。

さらに、読み終わったときに自分の中に芽生えたのは、「では自分に
とっての修行っていったい何だろう?」という問いです。たとえば、
心を調えるという意味で私が長年実践していることに「日記を書く」
というのがありますが、これなどは中野さんの挙げた項目の中には
ないけれど自分にとっては間違いなく修行の一項目に入るでしょう。
また、ジョアンナの言う「世界に対する痛みを大切にする」という
のも修行でしょう。そんなふうに考えていくと、もしかしたら自分
なりの「修行法」あるいは「修行モデル」が見えてくるのかもしれ
ないと想い、なんだかワクワクしてきました。さて、皆さんにとって
の「楽しい修行」は何ですか?

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4.編集後記

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皆さん、ピースボートってご存知ですか?3ヶ月くらいかけて、
船に乗って世界を一周するのですが、いわゆる豪華客船に乗って
悠々自適に世界を巡るのとは違って、船上でも寄港地でも世界で
今何が起きているかについて学び、それに対して自分は何ができるか
を考えることを目的としたクルーズです。

私は今から12年前にこのピースボートに乗って、それこそ世界に
対する痛みを強烈に感じたことが、その後人生の舵を大きく切る
きっかけになりました。現在私がやっている活動には、この体験が
出発点になったものが数多くあります。

実は、そのピースボートに明日から今度は乗客としてではなく、
「水先案内人」として2週間ほど乗ることになりました。水先案内人
というのは、自分が専門としている分野の話をすることで、乗客の
皆さんの学びを深める役割を担う人たちで、私は今自分がやっている
すべての活動について講演やワークショップを通じてご紹介させて
いただけることになっています。

自分の人生を大きく変えたピースボートに、まさかこういうかたちで
再び乗ることになるとは思いもよりませんでしたが、こうした人生の
不思議な巡り合わせに感謝しながら、しっかり恩返しをしてきたいと
思います。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

なお、万が一このようなメルマガが送られてくるお心当たりがない方、
あるいは心当たりはあるが購読を希望しないという方は、恐れ入り
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