2016年12月30日金曜日

よく生きる通信 Vol.27 「人生には季節がある」


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         ★よく生きる通信 vol.27★
           2016年12月号(特別号)
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

今年も残すところ、あと1日となりましたが、皆さまいかがお過ごし
でしょうか?

さて、今月の19日に、よく生きる研究所はおかげさまで設立から
4周年を無事迎えることができました。これもひとえに皆様のご支援
の賜物と心から感謝しております。

この間、「天職創造セミナー」および「アクティブ・ホープ・
ワークショップ」の開催を中心に活動してきましたが、4年が経った
このタイミングでよく生きる研究所としての外向きの活動を当面
休止させていただくことになりました。それに伴い、この「よく
生きる通信」もしばらくの間休刊となります。

いささか唐突に感じられると思いますが、実はこのことは半年ほど
前から決めていました。その理由および今後どうするのかについて
は、「よく生きるコラム」の方で今回のテーマと関連づけながら、
少し触れさせていただきたいと思います。

では、当面最後となる「よく生きる通信」特別号をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「人生には季節がある」
2.よく生きるリソース:「ライフ・シフト」リンダ・グラットン/
アンドリュー・スコット著(東洋経済新報社)
3.編集後記

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1.よく生きるコラム 「人生には季節がある」

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私は人生には「季節」があると考えています。何か新しいことが
始まりそうな予感に包まれ、いろいろなことを試してみる「春」。
そして、その中から「これ」というものが立ち現われ、そこに
全精力を傾け、忙しく動き回る「夏」。そうした努力の成果が実を
結ぶと同時に、現状を見直さざるを得ない何かが起こり、内省的
になる「秋」。その中から湧いてきた問いと深く向き合い、大切な
ものを手放して、次なるサイクルに備えて自分をひたすら整える
「冬」。私の場合、これまでの人生を振り返ると、このサイクルを
ほぼ10年周期で繰り返してきた感があります。

20代の後半でそれまで勤めていた会社を辞め、アメリカに留学した
のが冬。「どうしたら人は生き生きと仕事ができるのか?」という
問いを持つ中で生まれたのが「天職創造セミナー」であり、その
実現をサポートする方法として出会ったのがコーチングでした。
日本に帰国し、個人事業主として天職創造セミナーにコーチング
を加えたサービスを細々と提供していたのが春。そして、コーチ
ングについて書いた本が予想外に売れたことが発端となり、自分が
学んだCTIのコーチング・プログラムを日本で提供すべく会社を
設立し、その活動に明け暮れたのが夏。無理がたたったのか病気に
なり、それがきっかけで乗ったピースボートで世界の現状を知り、
そうしたことにまったく無頓着だった自分に危機感を抱いたのが秋。
その結果、30代の終盤に会社の経営を手放し、「どうしたら持続
可能な社会がつくれるのか?」という問いを持って、イギリスの
フィンドホーンというエコビレッジに移住したのが、また冬。その
結果、チェンジ・ザ・ドリームやトランジション・タウンという
持続可能な社会をつくるための活動に出会い、それを日本に紹介
することになるわけです。

そして今、また季節が一巡りして、新たな冬に突入しようとして
います。なんとなく去年くらいからその予感がしていたので、少し
ずつこれまでやってきたことを手放しながら、その準備をしてきま
した。昨年には15年にわたって株主として関わってきた会社を
完全に手放し、今年は天職創造セミナーとアクティブ・ホープ・
ワークショップを含むほぼすべての活動を年内で一旦完了しました。
そして、来年から何をするのかと言えば、今自分の中にある新たな
問いを持ってしばらく探求の旅に出ようと思っています。その問い
というのは、「どうしたら革命は起きるのか?」というものです。
この問いがどこから出てきたのかをきちんと説明しようとすると
かなりの長文になってしまいそうなので割愛しますが、簡潔に
言うと、これまで自分が関わってきたものを含め、今求められて
いる社会変革がよりスピーディかつより大きなスケールで拡がって
いくためには何が必要なのかということについて探求したいという
想いがあります。

そのために、まずはとっかかりとして、来年の前半はここ1~2年
の間に個人的な関わりがますます増えてきている中国に身を置いて、
中国語の勉強をしながら、近年急速に世界におけるプレゼンスを
高めつつある彼の国の今を肌で感じるところから始めたいと思って
います。そして、来年の後半はそのまま中国に残るか、場合に
よってはアメリカの大学院に籍を置き、社会変革について学ぶ
という選択肢も視野に入れています。その先にどんな「春」が
待っているのか、現時点ではわかりませんが、これまでの経験を
振り返っても、人生の季節に逆らうことなく、逆にどっぷりと
それに浸かった方が次のサイクルがより充実したものになるような
気がしているので、しばらくは急いで春に移行しようとせず、
冬ごもりに徹しようと思っています。

さて、あなたの人生は今、どのような季節にあるのでしょうか?
(榎本 英剛)

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2.よく生きるリソース 「ライフ・シフト」
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著(東洋経済新報社)

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本書の著者の一人は以前このメルマガのVol.10の「よく生きる
リソース」で取り上げた『ワーク・シフト』という本と同じリンダ・
グラットン氏。前著は今から約20年後における仕事の世界がどう
なっているかについて複数のシナリオを提示することで今後の
キャリアをどう主体的に築いていくかを考えさせるという内容
でしたが、本書は寿命が近い将来100歳を超えると予測されている
時代において、仕事を含めて人生全体をどのようにデザインすべき
かを、世代が異なる3人のシナリオを通して考えさせる内容になって
います。

本書の中で著者たちは、寿命が100歳を超える「100年ライフ」に
おいては、従来のような教育・仕事・引退からなる「3ステージの
モデル」は非現実的になりつつあり、それらに加えて様々な可能性
を模索する「エクスプローラー」のステージ、自由と柔軟性を
重んじて小さなビジネスを起こす「インデペンデント・プロデュー
サー」のステージ、そして複数の仕事や活動に同時並行的に関わる
「ポートフォリオ・ワーカー」のステージが出現し、しかも個人の
志向や特性に合わせてそれらのステージを順不同で組み合わせる
「マルチステージ」の時代がやってくるだろうと主張しています。

この主張は私自身のこれまでの人生を振り返ってみても納得のいく
もので、決して寿命が100歳になることを見越してそうしたわけ
ではないものの、自分が心から望む働き方・生き方をしてきたこと
が結果として「エクスプローラー」「インデペンデント・プロ
デューサー」「ポートフォリオ・ワーカー」を含むマルチステージ
からなるキャリアになったという感じがします。そういう意味では、
本書が主張するマルチステージのキャリアというのは、100年
ライフに対応するためだけでなく、自分が幸せになるためにも
有効な考え方ではないかという気がします。

また、本書のもう1つ大事な主張として、100年ライフにおいては、
お金などの有形の資産をどうするかもさることながら、スキルや
知識などの「生産性資産」、健康や家族関係などの「活力資産」、
そして自己意識や開かれた姿勢などの「変身資産」の3つに著者
たちが分類している「無形の資産」をどうするかが非常に大事に
なってくるということがあります。そして、これらの無形資産を
充実させるために、時には意図的に「移行期間」を設け、いわゆる
仕事をまったくしない時期も必要になるのではないかと述べて
います。

今号のよく生きるコラムでも紹介したように、私はこれまでに何度
かこの移行期間を経験してきました。そして、その度に新たな知識
やスキルという生産性資産を手にし、それによって仕事や活動の
多様性も拡大してきました。そして今また新たな移行期間に意図的
に突入しようとしているこのタイミングで本書に出会えたことは
心理的に大きな後押しになりました。この年末年始にどんな本を
読もうかと迷っている人にはぜひお勧めの一冊です。

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3.編集後記

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2013年の10月に第1号を発刊して以来、不定期の発行ながら今号
で27号を数えるまで約3年にわたって続けてきたこの「よく生きる
通信」。ここまで続けられたのも、ひとえに皆様という読者がいて
くださったからこそと心から感謝しています。

一旦休止とさせてはいただきますが、いずれまた再刊したいと
思っていますので、ぜひご登録いただいたままにしておいていただ
ければ幸いです。では、じばらくお暇をいただきますが、今後とも
どうぞよろしくお願いいたします!

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

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