2016年6月20日月曜日

よく生きる通信 Vol.24「横から目線で人を見る」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇
         ★よく生きる通信 vol.24★
           2016年6月号
◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

いよいよ梅雨が到来し、蒸し暑さが徐々に増してきましたが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私の家には冷房がないので、暑い時はもっぱら扇風機のお世話に
なるのですが、今年もそろそろ納戸から引っ張り出してこないと
いけないかなと思っているところです。

それでは、「よく生きる通信」Vol.24をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「横から目線で人を見る」
2.よく生きるインフォメーション:
・2016/7/23-24  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/9/10-11 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/10/8-10 アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・
女神山)
・2016/7/13  より良い未来&人生のために(東京・国分寺)
3.よく生きるリソース:「自分の小さな箱から脱出する方法」
アービンジャー・インスティチュート著(大和書房)
4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

1.よく生きるコラム 「横から目線で人を見る」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

よく「上から目線」という言葉を耳にしますが、これはたいてい
「人を見下している」とか「偉そうな」といった否定的な意味合い
で使われていますね。では、上から目線にならないためには、逆に
「下から目線」になればいいのでしょうか?「人を見上げる」と
いうと、相手を尊敬したり、相手に憧れたりという、どちらかと
言えば肯定的な意味合いがありますし、偉そうでないとすれば
「謙虚」という、これまた肯定的な意味合いを含んでいます。

しかし、「上から目線」も「下から目線」も、ともに人を上下の
関係で見ることには変わりなく、そのこと自体が多くの問題を
もたらしていると私は考えています。福沢諭吉がかつて「天は人の
上に人を造らず、人の下に人を造らず」と言ったように、本来
人には上下はないはずなのに、私たちにはどうしても人を上下で
見てしまう癖があるようです。何を基準にして上とか下とか言うか
は、社会的な地位だったり、経済的な豊かさだったり、年齢だった
り、学歴だったり、体格だったり、容姿だったり、何らかの能力の
差だったりと様々ですが、多くの人はほとんど無意識のうちに
これらのものさしを使って他人と自分を引き比べているのでは
ないでしょうか?

先ほど、「人を上下の関係で見ること自体が多くの問題をもたらし
ている」と書きましたが、これは誰かに「上から目線」で見られて
いる人だけでなく、誰かを「上から目線」で見ている人にとっても
言えることだと私は考えています。もしもあなたが誰かに「上から
目線」で見られたとしたら、どんな想いがするでしょうか?きっと
自分の尊厳が傷つけられたような気がするはずです。一方、誰かを
「上から目線」で見た時はどうでしょうか?その瞬間は優越感に
浸れるかもしれませんが、よく言われるように、優越感は劣等感の
裏返しなので、その人はどこかで自分自身を見下している、すな
わち「上から目線」で見ていることになるのです。

実際、レストランなどでウエイトレスの人にぞんざいな口をきいて
いた人が同じテーブルに座っていた自分より立場が上の人(だと
本人が思っている)にへりくだった口のきき方をしているのを何度
か見たことがあります。私はそういうシーンに遭遇すると悲しく
なります。何が悲しいかと言うと、見下されたウエイトレスさんの
気持ちを慮ると同時に、その人自身が日々自分を見下していること
の辛さを想うと何とも言えず悲しい気持ちになるのです。

この「上か下か」という、自分にも他人にも痛みをもたらすシー
ソーゲームから脱出するための鍵は、「横から目線」で人を見る
ことだと私は思います。単純なようですが、上でもなく下でもない
とすれば、横からしかない、そう思うわけです。相手がどんな立場
の人であれ、自分と対等な存在として見る。これは言うは易しです
が、特に人をずっと上下で見てきた人にとってはそう簡単にできる
ことではありません。

人を「横から目線」で見る上で一つ大事なことは、好奇心をもって
その人のことをありのままに見ることだと思います。なぜなら、
そのこと自体が相手を尊重する行為であり、それをした時点で
すでに目線が上から(あるいは下から)横にシフトしたことを示し
ているからです。
(榎本 英剛)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

2.よく生きるインフォメーション

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】
・日程:2016年7月23日(土)・24日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/357670/

【天職創造セミナー】
・日程:2016年9月10日(土)・11日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/382394/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】※
・日程:2016年10月8日(土)~10日(月・祝)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円 早割特典あり(詳細は以下のリンクでご確認
ください)
・定員:24名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/382396/

※この回をもって、当面よく生きる研究所主催で行う「アクティブ・
ホープ・ワークショップ」は最後となりますので、ご関心のある方
はぜひこの機会にご参加ください(6月末まで早割特典をご活用
いただけます)。

<<その他、榎本が登壇予定の公開イベント>>
【より良い未来&人生のために ~トランジション藤野からの提案】
・主催:スロースクール夜間部
・日程:2016年7月13日(水) 19:00-21:00
・会場:東京・国分寺市 カフェスロー
・参加費:2,000円(ワンドリンク付き)
・定員:30名
・詳細:https://www.facebook.com/events/1748613378761437/
・お申し込み:yakanbu.club@gmail.com

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

3.よく生きるリソース 「自分の小さな箱から脱出する方法」
  アービンジャー・インスティチュート著(大和書房)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

本書の日本語訳が出版されたのは2006年なので、もう10年ほど前に
なりますが、最近、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手がある新聞の
書評欄で取り上げたことがきっかけで、多くの書店で平積みに
なっているのをよく見かけるようになりました。

原書のタイトルは「Leadership and Self-Deception」で、その
まま訳すと「リーダーシップと自己欺瞞」となります。つまり、
これはもともとリーダーシップの文脈で書かれたものなのですが、
そこに紹介されているコンセプトは広く一般的な人間関係に応用
できる、汎用性の高いものだと思います。そういう意味では、日本
語版のタイトルの方がこの本の内容にふさわしいかもしれません。

そのタイトルにある「箱」というのが本書のキーコンセプトなので
すが、相手の人をありのままに見ずに、自分に都合がいいように
歪めて見てしまうことを「箱に入る」と言います。そして、箱に
入ったままの状態で相手と関わると、有意義で効果的な人間関係を
築くことが難しくなってしまうと著者は主張します。

そもそもなぜ箱に入ってしまうかというと、本来人間は誰かの役に
立ちたいと思っているんだけれども、何らかの事情でその思いに
したがわないと、今度は自分を正当化したり、相手を責めたりする
ようになり、ついには箱に入ってしまうというわけです。たとえば、
ある人が電車に乗って座っていたら、目の前にお年寄りが立ったと
しましょう。そして、その瞬間、その人は立って席を譲ろうと
思ったのですが躊躇してしまったとしましょう。さて、その時その
人の中では何が起きるでしょうか?「俺は仕事で疲れてるんだ」と
自分を正当化したり、「人の目の前に立つなんて、なんてずうずう
しい年寄りなんだ」と相手を責めたり、といったことが起きるかも
しれませんね。これこそがまさに「箱に入る」ということなのです。

では、どうしたら箱から出られるのか?本書によれば、それは、
相手も自分と同じニーズを持った尊重すべき1人の人間であると
見ることであると言います。つまり、今回の「よく生きるコラム」
で取り上げた「横から目線」で人を見るということと基本的に同じ
ことです。本書を読むと、なぜ人は「上から目線」(あるいは
「下から目線」)になり、どうしたらそれを「横から目線」に
シフトできるかということについてたくさんのヒントが得られる
ことと思います。

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

先月後半、北京郊外で3月の上海郊外に続き、2回目の「アクティブ・
ホープ・ワークショップ」を開催してきました。

昨年から約3ヶ月に1回のペースで中国に通っていますが、リーダー
シップ・プログラムやアクティブ・ホープ・ワークショップを
通じて深く関わる中で、ますます「横から目線」で中国の人たちと
接することができるようになってきた気がします。

それまでは、正直に言って、よく知らないが故にどうしても
「中国人」というラベルで見てしまっていましたが、1人ひとりを
知れば知るほど、その魅力が伝わってきて、愛すべき存在になって
いきました。やはり人として直接つながることって大事なんだなと
つくづく感じた次第です。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

※この通信のバックナンバーをご覧になりたい方は、以下のリンク
からご覧いただくことができます。
http://yokuikiru-kenkyusho.blogspot.jp/

なお、万が一このようなメルマガが送られてくるお心当たりがない方、
あるいは心当たりはあるが購読を希望しないという方は、恐れ入り
ますが、以下のリンクをクリックして購読を解除していただければ
幸いです。
http://accessmail.jp/z.php3?pk=UIdxdBdi&em=info@yokuikiru.jp

お問い合わせ:info@yokuikiru.jp

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

よく生きる通信 Vol.23 「❝よく生きる❞のトライアングル」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇
         ★よく生きる通信 vol.23★
           2016年4月号
◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

ゴールデン・ウイークも間近に迫ってきましたが、皆さんいかが
お過ごしでしょうか?

今、私はイギリスに来ています。昨年に引き続いて「よく生きる
ツアー」実施のために、かつて3年ほど暮らしたフィンドホーン
というエコビレッジを17名の参加者とともに訪れています。

現在自分が関わっている活動の多くはここでの暮らしがきっかけ
となって始めたもので、そういう意味ではここに来るといつも初心
を思い出し、気持ちを新たにすることができます。

それでは、「よく生きる通信」Vol.23をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「“よく生きる”のトライアングル」
2.よく生きるインフォメーション:
・2016/5/14-15 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/7/23-24  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/9/10-11 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/10/8-10 アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
3.よく生きるリソース:「幸せになる勇気」
岸見一郎・古賀史健著(ダイヤモンド社)
4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

1.よく生きるコラム 「“よく生きる”のトライアングル」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

私は約3年前に「よく生きる研究所」を立ち上げましたが、
「“よく生きる”とはどういうことか?」という問いはそれこそ
20代の頃から持っていて、これまでやってきたことはほとんど
すべてその問いから生まれてきたものであると言っても過言では
ありません。

とは言え、20年以上この問いについて考えてきたからと言ってその
答えを見出したわけではありません。もちろん、この問いに対して
万人に当てはまるような答えがあるわけではなく、100人いたら
100通りの“よく生きる”があるのだと思います。つまり、私は
私なりの“よく生きる”をこれまで探求してきたわけで、きっと
死ぬまで探求し続けるのだと思いますが、その中でこれはきっと
変わらないだろうと思っていることがいくつかあります。

その1つは、“よく生きる”ということを考える時、それは自分
だけがよく生きるだけではなく、それが他者にとってのよく生きる
につながり、さらには地球にとってのよく生きるにつながる必要が
ある、ということです。そして、これら自分・他者・地球という
3つの側面すべてにおいて“よく生きる”を実践することを、私は
「“よく生きる”のトライアングル(三角形)」と呼んでいます。
私たちは個人として社会から切り離されて生きているわけではなく、
また人類として地球から切り離されて生きているわけではあり
ません。むしろ、その一部として生きているのであり、それらとの
つながりなくしてよく生きることなど到底できない、と思うのです。

ところが、グローバルな時代となって、かつてないほど人類が密接
につながり合うようになった現在、皮肉なことに「自分さえよけ
ればいい」あるいは「自分たちさえよければいい」という考え方が
蔓延し、環境破壊や社会的な不平等、さらには戦争やテロはとど
まるところを知らない状況となっています。一方、このような状況
を乗り越えるべく、自分・他者・地球の3者がともによく生き
られるような道を地域という単位で模索してきたコミュニティが
あります。

私が現在訪れているイギリスの北方スコットランドにあるフィンド
ホーンがその1つの例です。ここはもともと50年ほど前にスピリ
チャルなコミュニティとして立ち上がったのですが、今では持続
可能な暮らしを営むエコビレッジとして世界的にその名を知られる
ようになりました。食に関しては、自分たちで農場を持ち、有機
栽培で育てた野菜でかなりの程度自給していますし、エネルギーに
関しても、風力発電用の風車を自前で4基所有し、高い自給率を
誇っています。さらには、自分たちの地域通貨を発行し、リサイクル
やシェアリングも盛んで、まさに生活基盤が従来の使い捨て型では
なく、循環型のしくみになっています。

ただ、こうした技術やしくみだけで“よく生きる”のトライアングル
が実現できるわけではありません。それを実現するためには、まず
自分だけでなく、他者や地球と意識の上でつながる必要があります。
フィンドホーンでは、そのための方法として瞑想や歌、ダンス、
ゲームなどが用いられていますが、その中でもこのコミュニティに
特有なものに「アチューンメント」と呼ばれるものがあります。

「アチューンメント」とは、「波長を合わせる」というような意味
で、仕事をする前に同じ職場で働く人たちが輪になって手をつなぎ、
短い祈りの言葉を唱えながら、自分やその場にいる他者や自然など
と波長を合わせる儀式のことを言います。こう書くと何やら怪しげ
に聞こえるかもしれませんが、実際にやってみると、本当にそこに
いる人たちやそこにあるものすべてと波長が合ったような感じがして、
気持ちよく働けるので、仕事も捗るという効果があります。

もちろん、アチューンメントだけが“よく生きる”のトライアングル
を実現する唯一の方法ではありませんし、他にも無数の方法がある
と思いますが、大事なことはこのトライアングルは何もエコビレッジ
みたいな場所でなくても、その人が意識的に取り組みさえすれば、
どこにいても実現が可能だということです。さて、あなたはどの
ようにこのトライアングルを実現していきますか?
(榎本 英剛)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

2.よく生きるインフォメーション

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】
・日程:2016年5月14日(土)・15日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/357669/

【天職創造セミナー】
・日程:2016年7月23日(土)・24日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/357670/

【天職創造セミナー】
・日程:2016年9月10日(土)・11日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/382394/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】<NEW!>
・日程:2016年10月8日(土)~10日(月・祝)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円 早割特典あり(詳細は以下のリンクでご確認
ください)
・定員:24名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/382396/

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

3.よく生きるリソース 「幸せになる勇気」
   岸見一郎・古賀史健著(ダイヤモンド社)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

本書はちょうど2年前にこのメルマガでも取り上げた「嫌われる
勇気」の続編であり、再び哲人と青年の夜を徹しての対話という
形式をとりつつ、前作同様、アドラー心理学の神髄をわかりやすく
伝える内容になっています。

当時、図書館司書をしていた青年は、教育という世界でアドラー
心理学を通して学んだことを実践すべく教師に転身するが、そこで
思うような教育ができず、ついにはアドラー心理学に失望し、それ
との決別を胸に3年の月日を経て再び哲人の書斎を訪ねます。自分
が教育の現場で経験した挫折はアドラー心理学の不完全さによる
ものだと確信して疑わない青年は、今度こそ哲人との議論に打ち
勝つべく挑戦的な問いを投げかけるが、哲人は前回同様、一切
動じることなく、見事な論理立てで青年からの挑戦をことごとく
斥けていきます。そして、ついに青年は再びアドラー心理学に
対する信頼を取り戻し、夜明けとともに哲人の書斎を後にします。

今回のメインテーマは「愛」。それと本書のタイトルである「幸せ
になる勇気」とがどう結び付いてくるのか?愛と言うと、どこか
甘い響きがありますが、アドラーの語る愛は一味も二味も違って
いて、そこには厳しさや難しさがあります。というのも、アドラー
にとって愛とは、相手が誰であっても、そしてその相手が自分の
ことをどう思っていたとしても、自分がまずその相手を愛する
という決意から始まるからです。そして、それは自己中心的な
「わたし」の世界からの脱却を伴い、「わたしたち」という世界に
足を踏み入れることでもあります。本当の意味で幸せになるには、
いつも「愛される」ことを願って「わたし」の世界で怯えている
のではなく、勇気を持って自ら「愛する」ことで「わたしたち」
という未知の世界に足を一歩踏み出す必要がある。これがアドラー
の語る愛であり、「幸せになる勇気」なのです。

このことは、今回のコラムで取り上げた“よく生きる”のトライ
アングルを実現するためにも大事なことだと私は考えています。
というのも、個人としてよく生きるだけでなく、他者や地球に
とってもよく生きるためには、アドラーの言葉を借りるなら、
「わたし」という世界から「わたしたち」という世界に移行する
必要があり、それにはやはり勇気が必要になると思うからです。

というわけで、「よく生きる勇気」を得たい方にはお奨めの1冊
です。

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

昨年に続いて2回目の実施となる「よく生きるツアー」。実は、
当初はお申し込みが伸びず、開催が危ぶまれていたのですが、
蓋を開けてみれば昨年と同じ17名の参加者を得て、こうして
無事開催することができてうれしく思っています。

昨年のツアーに参加された方たちからは、「人生が大きく変わる
ような体験だった」という声が上がっており、今回のツアーが
参加される方の人生にどのような影響を与えるのか、今から
楽しみです。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

※この通信のバックナンバーをご覧になりたい方は、以下のリンク
からご覧いただくことができます。
http://yokuikiru-kenkyusho.blogspot.jp/

なお、万が一このようなメルマガが送られてくるお心当たりがない方、
あるいは心当たりはあるが購読を希望しないという方は、恐れ入り
ますが、以下のリンクをクリックして購読を解除していただければ
幸いです。
http://accessmail.jp/z.php3?pk=UIdxdBdi&em=info@yokuikiru.jp

お問い合わせ:info@yokuikiru.jp

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇