2019年12月20日金曜日

よく生きる通信 Vol.36 「人生の流れに身を任せる」

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

       ★よく生きる通信 vol.36★
          2019年12月号

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

おかげさまで、本日12月19日をもちましてよく生きる研究所
も無事8年目を迎えることができました。これもひとえに皆様
からいただいたご支援の賜物と心から感謝しております。

8年目となる来年も相変わらず「アジア・シフト」が続きそう
ですが、引き続き今後ともご指導・ご鞭撻をいただけますよう、
どうぞよろしくお願いいたします。

では、今年最後の「よく生きる通信」をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「人生の流れに身を任せる」
2.よく生きるインフォメーション:
・天職創造セミナー(神奈川・藤野) 3/21-22
・本当の自分を生きる塾 (オンライン) 4/8-7/22
3.よく生きるリソース:「サレンダー」
マイケル・シンガー著(風雲舎)
4.編集後記

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

1.よく生きるコラム 「人生の流れに身を任せる」

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

直近2回のメルマガで「プロセス志向型の生き方」について
書いてきましたが、今回もそうした生き方をする上で欠かせない
と私が感じていること、すなわち「人生の流れに身を任せる」
ということについて書かせていただきたいと思います。

プロセス型の生き方の対極にあるのが「結果志向型の生き方」
になるわけですが、これは最初に自分が思い描いた理想的な
未来を実現するために計画を立て、それに自らを従わせよう
とする生き方です。それは往々にして未知なるものに対する
恐れにもとづいており、描かれる未来も勢い自分の過去の経験
から想像できる範囲、そして自分が許容できる範囲にとどまり
がちです。

一方、プロセス型の生き方は、未来をコントロールしようと
すること自体を手放すことから始まります。そして、自分と
いう存在を通じて起ころうとしている未来に意識を向けます。
そうやってコントロールするのをやめてみて、ただただ自分の
人生に起こっていることを客観的に眺めてみると、そこには
流れのようなものがあることに気づくことがあります。

私の場合、5年ほど前から何の予兆もなく突然「中国」という
流れがやってきました。そして、ほぼ時を同じくして、これ
またそれまでまったく考えてもいなかった「天職創造セミナー
を提供できるトレーナーを養成する」という流れがやって
きました。その両方にとりあえず乗ってみた結果、今では
それらの流れが合流し、中国をはじめとしたアジア各国で
天職創造セミナーのトレーナー養成を行うことが自分の活動
の中心になっています。これは5年前には自分でもまったく
想像もしていなかった展開でした。

このように、人生の中である流れに気づいても、まさに川岸
に座って川の流れを眺めている時と同じく、その流れが
どちらの方向に向かっているかは見えますが、その流れが
最終的にどこに行き着くのかまでは見えません。このように
先が見えない不安から、たとえ流れに気づいても多くの人は
その流れに乗ることを躊躇してしまうのです。時には、流れに
逆らって上流に向かって泳ぐようなことをしてしまう場合も
あるかもしれませんね。

ただ、想像していただくとすぐわかるように、こうして流れに
抵抗したり、逆行したりするのは相当にエネルギーを消耗
します。そこで、同じエネルギーを使うのであれば、その流れ
にまずは乗ってみて、その上でそこから自分ですら想像し
得なかったような未来を創ることにエネルギーを使った方が
よほど効率的だという考え方もあり得ると思うのです。

「人生の流れに身を任せる」と聞くと、何だか消極的かつ
受動的な印象を持たれるかもしれませんが、それは未知に
対する恐れから未来をコントロールすることを手放し、どこに
行き着くかわからない流れにあえて乗るという積極的かつ
能動的な行為だと私は考えます。そして、この「どこに行き
着くかわからない」ということ自体が、まさに人生に面白さと
新鮮味をもたらす鍵だと私は思うのです。

ぜひ考えてみていただきたいのですが、もしも最初からどこに
行き着くかがわかっているとしたら、はたして人生は面白いで
しょうか?もちろん、これはその人の人生観によるので何が
正しいということではないと思いますが、予め行き先を
決めて、あたかもそこに行き着けるかどうかが人生の良し悪し
を決めるかのように考えるのは、かえって自ら人生の可能性を
狭めてしまっているような気がするのですが、皆さんはどう
思われますか?
(榎本英剛)

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

2.よく生きるインフォメーション

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

・天職創造セミナー(神奈川・藤野)3/21(土)-22(日)
https://kokucheese.com/event/index/586950/

・本当の自分を生きる塾(オンライン)4/8(水)-7/22(水)
 https://kokucheese.com/event/index/586951/

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

3.よく生きるリソース 「サレンダー」 
マイケル・シンガー著 (風雲舎)

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

本書のタイトルである「サレンダー」というのは英語で書くと
“surrender”となり、日本語で「身を任せる」という意味の
言葉です。つまり、今回のコラムで取り上げた「人生の流れに
身を任せる」を英語で言うと“surrender to the flow of
life”となります。本書の内容もまさにこの「人生の流れに身を
任せる」ことがテーマとなっています。

本書の面白いところは、著者のマイケル・シンガー氏が「もし
流れに徹底的に身を任せて生きたら、人生はどうなるだろうか」
ということを自らの人生で実験した自伝的な報告になっている
ところです。ちなみに、原書のタイトルは“The Surrender
Experiment” となっており、まさに「流れに身を任せる」
ことをテーマに据えた、一人の男による壮大な実験について
書かれています。物語調で書かれているので非常に読み
やすく、一般の人から見れば常軌を逸しているように見える
その徹底した任せぶりにハラハラしながらもグイグイと引き
込まれていく感じがするはずです。

著者はヒッピーな大学院生だった20代半ばに覚醒体験をして
以来、瞑想やヨガにのめり込み、森の中で暮らすようになり
ます。しかし、人生の流れは彼が単なる隠遁者でいることを
許さず、まずは彼が暮らしていた森の中にスピリチャル・
コミュニティをつくることになり、次にひょんなことから建設
業者となり、さらに医療用ソフトウエアを開発する会社を立ち
上げ、ついにはその会社が従業員2000人を抱える巨大なIT
企業に成長し、その最高経営責任者を務めることになります。

このような激動の人生を送った著者ですが、その何一つとして
彼自身が計画したものではなく、ただ人生の流れに身を任せる
ということをひたすらやり続けた結果起きたことだったという
のが肝心なところなのです。もう1つ大事なことは、彼が
これらの「結果」にこだわっていなかったということです。
彼にとって大事だったのは、人生の流れに身を任せることで、
「こうでなくてはならない」というエゴから自らを解放し、
真の平和を内側に築くことだったのです。

私もこの20年強、意識的に流れに身を任せて生きてきたつもり
ですが、本書を読んで著者の規格外な任せぶりに感嘆する
とともに、まだある可能性の余地を垣間見せてもらった感じ
がして、大いなる刺激を受けた次第です。

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

4.編集後記

◇◆◇◆◇―――――――――――――――――◇◆◇◆◇

今年10月に東日本を襲った超大型台風19号は、私が住む
神奈川県・藤野にも甚大な被害をもたらしました。多数の
土砂崩れが発生し、一時はすべての道路および線路が封鎖
されて陸の孤島と化し、死者も出るなど、これまで経験した
ことのない事態に直面しました。

これまで「何があっても大丈夫なまちをつくる」ことを
目指してトランジション・タウンの活動をしてきた身
としては、かなりの衝撃を受けましたが、今はこの経験を
教訓として再び立ち上がるべく、地元の仲間たちと何が
できるか模索しているところです。

来年はアジアでの活動に加え、こうした地元での活動にも
少し意識を向けていけたらと思っています。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)