2015年12月25日金曜日

よく生きる通信Vol.20「現場ほど優れた教師はいない」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇
         ★よく生きる通信 vol.20★
           2015年12月号
◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

皆さん、メリークリスマス!
よく生きる研究所の榎本英剛です。

2015年もあと残すところわずかとなりましたが、皆さんいかが
お過ごしでしょうか?

よく生きる研究所もおかげさまで、先日、設立から3周年を迎える
ことができました。これもひとえに皆さんからの暖かいご支援に
支えられてのものと心から感謝しております。

では、今年最後の「よく生きる通信」Vol.20をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「現場ほど優れた教師はいない」
2.よく生きるインフォメーション:
・2016/3/12-13 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/4/15-17  アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
・2016/4/22-5/6  よく生きるツアー(イギリス)
・2016/5/14-15 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/7/23-24  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
3.よく生きるリソース:「ぼくらの民主主義なんだぜ」
高橋源一郎著(朝日新書)
4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

1.よく生きるコラム 「現場ほど優れた教師はいない」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

先月下旬、「東北ラーニング・ジャーニー」という2泊3日のプロ
グラムで福島を訪れる機会があったのですが、今回の「よく生きる
コラム」ではその時に感じたことを取り上げたいと思います。

このプログラムは盟友のボブ・スティルガー氏とともに実施した
もので、スタッフと参加者含め、日本各地から集まった総勢22名
という大所帯で飯舘村、川内村、大熊町、田村市を回りました。
ご存知のように、福島は4年前の東日本大震災で被った地震や津波
による被害よりも、その後に起きた福島第一原発事故による放射能
被害をもっとも強く受けた地域であり、このプログラムはその被害
状況が今どうなっているかを実際に現地を訪れ、その現状に日々
向き合っている人たちの話を聴くことを通して自分の目と耳で確認
し、同時に自分と世界のこれからについて考えることを目的とした
ものでした。

初日に訪れた飯舘村では、「除染」の名のもとに田んぼや畑から
剥ぎ取られた汚染土が黒い袋に詰め込まれてうず高く積まれている
風景が右を見ても左を見てもただひたすら続いており、放射能に
よる被害がいかに大きかったかが圧倒的なスケール感で身に迫って
くるのを感じました。震災直後に何度か宮城県沿岸の地震や津波に
よる被災地を訪れた時にも感じたのですが、新聞の写真やニュース
の映像を見ただけでは決してわからない三次元的な感覚や、視覚
だけではなく五感のすべてを通して伝わってくる臨場感が全然違う
のです。

田んぼや畑の表土を剥ぎ取るというのは、たとえそれが10センチ
程度だったとしても、農家にとっては、何十年、いや何世代にも
渡って大切に育んできた生命線であり、それが無残にも剥ぎ取られ
てしまった光景は、あたかも全身の皮膚を剥ぎ取られてしまったか
のように感じ、見ていて肌がヒリヒリするほどでした。農業にすら
携わっていない門外漢の自分でさえそう感じるのだとしたら、この
大地とともに暮らしてきた人たちの絶望感たるや想像を絶するもの
に違いない、そう感じたのです。

2日目に訪れた川内村では、長期に渡る避難生活から帰還した村民
の方たちのお話を直接伺う機会がありました。その中で、避難生活
の様子について話してくれている時に、ある年配の男性がポツリと
漏らした「何もすることがないというのが一番辛かった」という
言葉が胸に響きました。それを聞いた時、新聞などで一時目にした
「賠償金を使って毎日パチンコに行き、何もしていない被災者が
いる」という批判的な報道がまったく違った意味で自分の中で
とらえ直す感覚がありました。もしも自分が同じような立場に
立たされたら、きっとパチンコでもしてないと気がおかしくなる
かもしれないな、と。

このプログラムでは、このように、私たち主催者が何かを教えると
いうことはほとんどなく、ただ現場に足を運び、そこで起きている
ことを自分の目で見、自分の耳で聞き、自分の心で感じたことを
言葉にするということをとにかく繰り返したわけですが、そこから
私たちも含め全員が得た学びは実に豊かなものでした。それは、
あたかも現場がファシリテーターとなって、私たちから学びを引き
出してくれたような感じでした。

思えば、今年7月に「よく生きるツアー」と題してイギリスの
フィンドホーンとトットネスを訪ねる2週間のプログラムを初めて
開催しましたが、あれも参加者が現場に直接足を運んで自分の目と
耳と心と身体でその人にとって必要な学びを手に入れる、まさしく
「ラーニング・ジャーニー」でした。その時も、参加者が手にした
学びや気づきは主催者である私の想像をはるかに超えていることに
驚いたものです。

こうした経験を振り返って思うのは、「現場ほど優れた教師は
いない」ということです。ここで「現場」を「現実」と置き換え
ても構いません。通常、私たちは、学びの場というのは教師や講師
という存在がいて初めて成り立つと考えがちですが、教師が語る
どんなに優れた言葉よりも、現場や現実が語りかけてくるものの
方が圧倒的なインパクトをもって伝わってくるということを今回
痛いほど感じました。今後は、間接的・二次的な情報源をもとに
物事を考えるのではなく、可能な限り現場に出向き、直接的・
一次的な情報源に自分をさらすということを心がけていきたいと
思っています。
(榎本 英剛)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

2.よく生きるインフォメーション

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】<残席あとわずか!>
・日程:2016年3月12日(土)・13日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340746/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】<残席あとわずか!>
・日程:2016年4月15日(金)~17日(日)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円(早割特典あり) 
・定員:24名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340987/

【よく生きるツアー@イギリス】
・日程:2016年4月22日(金)~5月6日(金)
・イギリスのフィンドホーンおよびトットネス
・参加費:390,000円(早割特典あり)
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/352767/

【天職創造セミナー】<NEW!>
・日程:2016年5月14日(土)・15日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/357669/

【天職創造セミナー】<NEW!>
・日程:2016年7月23日(土)・24日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/357670/

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

3.よく生きるリソース 「ぼくらの民主主義なんだぜ」
 高橋源一郎著(朝日新書)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

本書は作家であり、現在明治学院大学で教鞭をとる著者が東日本
大震災直後の2011年4月から今年の3月にかけて足かけ4年ほど
の間に朝日新聞の「論壇時評」に寄せた文章を一部修正・加筆した
上で収録したものです。本書のタイトルとなったのもそのあまた
ある文章の中の1つに過ぎないのですが、「民主主義」という
テーマは本書全体を貫いている背骨のような感じがしました。

著者は民主主義を「たくさんの、異なった意見や感覚や習慣を
持った人たちが、一つの場所で一緒にやっていくためのシステム」
と定義し、それは政治家たちの専売特許ではなく、1人では生きて
いくことができない私たち人間のすべてが向き合わざるを得ない
ものだと言います。そして、家族という非常に小さなシステムから
国家や世界という大きなシステムまで、その成員が自分たちなりの
民主主義をつくらなければならない、とも言っています。

これは、言葉を換えると、民主主義というものはそれぞれの
「現場」において、そこに身を置く人たち自らの手でつくらな
ければならない、ということです。今回の「よく生きるコラム」
で触れたように、情報や学習が現場から切り離されたものになって
いるのと同様、民主主義も現場感を失っているものの1つなのかも
しれません。現場感が失われると、当事者意識も同時に失われます。
本書を通じて著者が投げかけているメッセージの背景には、民主
主義に限らず、こうした「当事者意識を失うことへの危機感」が
あるように感じられてなりません。

そんな危機感を共有する者の1人として、現場や現実が持つパワー
やその重要性をさらに認識する契機となった本書。民主主義という
テーマに特段の興味がない人にもお奨めです。

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

先日、これまで「天職創造セミナー」にご参加いただいた方々に
お声がけして、「天職創造まつり~同窓会だよ、全員集合!」と
いうイベントを初めて開催しました。

ご参加いただいてから何年も経った方からつい最近ご参加いただ
いた方まで、一年を締めくくるのにふさわしいにぎやかな会に
なりました。

セミナー参加後、それぞれの方がそれぞれの形で天職創造のプロ
セスを歩んでおられるのを見て、このセミナーをやってきて本当
によかったと改めて感じました。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

※この通信のバックナンバーをご覧になりたい方は、以下のリンク
からご覧いただくことができます。
http://yokuikiru-kenkyusho.blogspot.jp/

なお、万が一このようなメルマガが送られてくるお心当たりがない方、
あるいは心当たりはあるが購読を希望しないという方は、恐れ入り
ますが、以下のリンクをクリックして購読を解除していただければ
幸いです。
http://accessmail.jp/z.php3?pk=UIdxdBdi&em=info@yokuikiru.jp

お問い合わせ:info@yokuikiru.jp

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

2015年11月11日水曜日

よく生きる通信Vol.19 「何かを手放さなければ、何も手に入らない」


◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇
         よく生きる通信 vol.19
           201511月号
◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

私が住む神奈川県の藤野でもきれいな紅葉が広がりつつありますが、
皆さんいかがお過ごしでしょうか?

さて、「よく生きるコラム」の中でも触れますが、この度、2000
7月の創立以来その経営に関わってきたCTIジャパン(現・ウエイク
アップ)から「卒業」することになりました。心機一転、今後はまた
新たな人生の展開に心を開いていきたいと思います。

では、「よく生きる通信」Vol.19をお届けします。ぜひお目通し
ください

今号のContents

1.よく生きるコラム:「何かを手放さなければ、何も手に入らない」
2.よく生きるインフォメーション:
11/21-23 福島ラーニング・ジャーニー2015(福島各地)
12/15  夕学五十講(東京・大手町)
12/19-20  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
2016/3/12-13 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
2016/4/15-17  アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
2016/4/22-5/6  よく生きるツアー(イギリス)
3.よく生きるリソース:「暗闇から世界が変わる」
志村真介著(講談社現代新書)
4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

1.よく生きるコラム 「何かを手放さなければ、何も手に入らない」

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

最近、私はある大きな決断をしました。それは、2000年の7月に
創立して以来、その経営に関わってきたCTIジャパン(昨年から
社名がウエイクアップに変更になりました)から「卒業」する
というものです。ここで卒業というのは、単に経営をしなくなる
というだけでなく、所有していた株式をすべて手放し、完全に
フリーになるということを意味しています。これまで、私は数々
の大きな決断をしてきましたが、今回の決断はおそらくその中でも
「最大級」にあたるものだと思います。

実際には、3年前にCTIジャパンのCEOを退任してからは、経営
の現場には携わっておらず、そういう意味では大きな変化はないの
ですが、とはいえ、株主として会社の事業の最終責任を負っている
わけで、その行く末にはつねに大いなる意を注いできました。それ
を手放すというのは、さすがに勇気のいることで、ここに至るまで
に何度も「本当にこれでいいのか?」と自問してきました。こういう
時、頭はいろいろな理屈をつけて抵抗します。たとえば、「自分が
苦労して築き上げたものをそんなに簡単に手放してしまっていいの
か?」とか、「もし自分がいなくなって回らなくなったらどうする
んだ?」とか、「将来、自分に何かあった時に会社を持っていた方が
安心ではないか?」などです。

しかし、これらの声はすべて恐れから何かにしがみつこうとする
とらわれの声です。それら頭の声の奥にある心の声にじっと耳を
澄ませてみると、このタイミングで会社を手放すことが、自分に
とっても会社にとっても、もっとも自然なことであるように思えた
のです。タイミングという意味では、昨年50歳になり、ともすると
守りに入りたくなる年齢にさしかかったところで、あえて初心に
立ち返り、これまでの延長線上ではない新しいことにチャレンジ
していきたいという気持ちが強くなっていたことも背景にありま
した。そもそも、今自分がやっていることのすべてが、心の声に
したがってその都度何かを手放してきたからこそ見出せたもので
あり、それをやめて守りに入ったら自分が自分でなくなるような
気がしたのです。

ここで私が「手放す」と言っているのは、お金とか地位とか会社
とか、目に見えるもののことだけを指しているわけではありません。
むしろ、それよりもそういうものがなければやっていけないという
目に見えない思い込みのことを指しています。私たちは多かれ
少なかれ、自分の可能性を限定するような「古い物語」を抱えて
いますが、自分の人生に新たな可能性を拓こうと思ったら、そう
した物語を手放していかなければなりません。これは、ちょうど
空中ブランコにつかまっている人が向こうからやってくるもう一つ
のブランコをつかむためには、それまでつかんでいたブランコを
手放さなければならないのに似ています。

人生とは「器」のようなもので、その中にいろいろなものが詰まっ
ていれば、何も新しいものは入ってきません。そこにどんなものが
入ってくるかわからないまま、とにかくスペースを空けて待つ。
これが手放した状態です。何が入ってくるかにこだわっていたら、
それは本当の意味で手放していることにはなりません。「一寸先は
闇」と言いますが、その闇にはたくさんの可能性が宿っています。
闇というと、あたかも何か良くないことが待ち受けているような
印象を受けてしまいがちですが、それは見えないというだけであっ
て、何も恐れるべきものではないのです。

さて、この闇の向こうに何が待ち受けているのか、今は楽しみで
仕方ありません。
(榎本 英剛)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

2.よく生きるインフォメーション

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】<残席わずか!>
・日程:1219日(土)・20日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000
・定員:18
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304933/

【天職創造セミナー】
・日程:2016312日(土)・13日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000
・定員:18
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340746/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】<NEW!
・日程:2016415日(金)~17日(日)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円(早割特典あり) 
・定員:24
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340987/

 

【よく生きるツアー2016@イギリス】<NEW!>
・日程:2016422日(金)~56日(金)
・会場:イギリスのフィンドホーン、トットネス
・参加費:390,000円(イギリス国内のプログラム参加費・交通費・
宿泊費・食費をすべて含む。早割特典あり)
・定員:18
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/352767/

<<よく生きる研究所共催もしくは榎本が登壇するイベント>>

【福島ラーニング・ジャーニー2015】<残席わずか!>
・日程:1121日(日)~23日(月・祝)
・会場:福島各地(飯館村、南相馬市、田村市など)
・主催:東北ラーニング・ジャーニー実行委員会
・参加費:53,000円(学生の方は40,000円)
・定員:20
・詳細・お申し込み:http://bit.ly/1GcR2HZ

【夕学五十講~自分も世界も幸せにする生き方~】
・日程:1215日(火)18:3020:30
・会場:東京・大手町 丸ビル7階 丸ビルホール
・主催:慶應丸の内シティキャンパス
・参加費:5,400
・詳細・お申し込み:https://www.sekigaku.net/

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

3.よく生きるリソース 「暗闇から世界が変わる」
 (志村真介著 講談社現代新書)

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

皆さんは「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下、DID)」という
イベントをご存知でしょうか?直訳すると「暗闇の中の対話」となる
このイベントはドイツ人の哲学者アンドレアス・ハイネッケ博士が
発案したもので、一筋の光もない絶対的な暗さの中を視覚障がいを
持つアテンドと呼ばれる人に導かれながらいろいろな体験と対話を
通して深い気づきが得られるソーシャルエンターテインメントです。

日本では、この本の著者である志村真介さんが1999年から開催されて
いて、最初は短期の単発開催だったのが、2009年からは外苑前にある
会場での常設開催が実現し、これまで約16万人の人が体験されたそう
です。私は志村さんの奥様で、現在DIDの運営組織であるダイアログ・
イン・ザ・ダーク・ジャパンの理事を務めている志村季世恵さんと
20年来親しくさせていただいている関係でずっと前からお誘いいただ
いていながら、なかなか参加する機会がなかったのですが、つい先日
ようやく念願かなって初めて体験させていただきました。

「暗闇」というと「こわいもの」というイメージを持っている人が
多いと思いますが、実際に体験してみると、意外や意外、ぬくもりと
刺激にあふれた心地よい空間でした。それは、アテンドの人や一緒に
暗闇を体験したユニットと呼ばれる8人ほどのグループがいたから
というのもありますが、私にとっては「先が見えない状況にただ身を
委ねる」という何かを手放した感覚が今回のコラムでも取り上げた
ように今の自分が置かれた状況にとても近いものがあり、しかも
それは「こわい」というよりも「次に何が起こるんだろう?」と
ワクワクするような感覚があったからだと思います。

本書を読んでいると、著者の志村さんがDIDを日本に持ち込み、
拡げていく過程で、ご自身の信念を貫くために、たくさんのものを
手放してきたことがつぶさに伝わってきます。それは、たとえば
アテンドを務める視覚障がいを持つ人たちとの関わり1つとっても、
それまでの固定観念を手放し、彼らと対等な関係をつくってきた
といったことに表れています。社会起業家としての生き方・働き方
という観点からも非常に示唆に富む1冊だと思います。

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

4.編集後記

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇

「よく生きるインフォメーション」に書きましたが、今年7月に
初めて開催し大好評だった「よく生きるツアー@イギリス」を来年
4月に再び開催することが決まりました!

このツアーでは私がかつてそれまでの立場を手放し、新しい何か
を見出そうとしていた時期に約2年半を過ごしたフィンドホーン
というエコビレッジとそこで結果的に見出したトランジション・
タウンという市民運動の発祥の地であるトットネスを巡りながら、
「よく生きる」ということについてじっくり考えることを目的と
した2週間のツアーです。

ご興味のある方は説明会も開催しますので、ぜひご参加いただけ
ればと思います♪

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

※この通信のバックナンバーをご覧になりたい方は、以下のリンク
からご覧いただくことができます。
http://yokuikiru-kenkyusho.blogspot.jp/

なお、万が一このようなメルマガが送られてくるお心当たりがない方、
あるいは心当たりはあるが購読を希望しないという方は、恐れ入り
ますが、以下のリンクをクリックして購読を解除していただければ
幸いです。
%%del%%

お問い合わせ:info@yokuikiru.jp

◇◆◇◆◇――――――――――――――――――――◇◆◇◆◇