2015年10月15日木曜日

よく生きる通信 Vol.18 「不確実性を味方につける」

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         ★よく生きる通信 vol.18★
           2015年10月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

穏やかな秋の空が広がる日が続いていますが、皆さんいかがお過ご
しでしょうか?

さて、今回はうれしいニュースが1つ。私が昨年から仲間とともに
取り組んできたプロジェクトである『アクティブ・ホープ』の日本
語版出版が本日ついに実現しました!

というわけで、今回の「よく生きる通信」Vol.18はさながらアク
ティブ・ホープ特集となっています。ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「不確実性を味方につける」
2.よく生きるインフォメーション:
・10/18 『アクティブ・ホープ』出版記念ワークショップ&
パーティ(東京・代々木)
・10/23-25  アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
・11/21-23 福島ラーニング・ジャーニー2015(福島各地)
・12/19-20  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・2016/3/12-13 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
3.よく生きるリソース:「アクティブ・ホープ」
ジョアンナ・メイシー+クリス・ジョンストン著(春秋社)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「不確実性を味方につける」

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皆さんは、世界の行く末や自分の人生の行く末を思い描いた時に、
どのような感情が湧いてきますか?未来というものは、それが世界
の未来であっても、自分自身の未来であっても、本来「不確か」な
ものです。「よく生きる」ということを考えた時、この「未来の
不確実性」とどう向き合うかというのはとても重要なテーマだと
私は考えています。なぜなら、不確実であることを不安や恐れの
原因とするか、それとも希望や勇気の原因とするか、それでその人
の生き方やあり方が大きく変わってくると思うからです。

実は、私にこのことを最初に気づかせてくれたのが、『アクティブ・
ホープ』の著者の一人、ジョアンナ・メイシーです。彼女がワーク
ショップなどでよく語ってくれることの中に「シャンバラの戦士の
予言」というものがあります。その内容を簡単に要約すると、
「チベット仏教においては、いずれ世界に重大な危機が訪れるが、
その時シャンバラの戦士たちが現れるだろう。そして、シャンバラ
の戦士たちは「慈悲の心」と「すべてのものはつながっていると
いう智慧」という2つの“武器”を使ってこの危機をもたらした
元凶に果敢に挑むだろう」というものです。ここまで話してジョ
アンナは、「この予言には結果が書かれていません。そして、それ
こそが重要なポイントなのです」と言うのです。

さて、なぜ結果が書かれていないことが重要なのでしょうか?
ジョアンナは今こそがその予言に書かれている「世界に重大な危機
が訪れた時」であり、その今を生きる私たち一人ひとりが「シャン
バラの戦士」なのだと言います。そうとらえた時、もし結果が
わかっていたら、私たちはどうするでしょうか?この結果には
大きく分けて2つのシナリオがあります。1つは、シャンバラの
戦士たちの力及ばず、世界は危機を乗り越えることができずに崩壊
してしまうというシナリオ。もう1つは、シャンバラの戦士たちの
奮闘が報われ、世界は危機を乗り越えることに成功するというシナ
リオです。もし前者の結果になると最初からわかっていたら、
私たちは「どうせ自分が何をやっても無駄だ」と無力感に陥り、
何も行動を起こさないでしょう。また、後者の結果になると最初
からわかっていたら、私たちは「自分は何もしなくても大丈夫」
という慢心に陥り、やはり何も行動を起こさないでしょう。つまり、
どちらのシナリオにしても、結果がわかっていると人は行動を
起こす動機を失ってしまうわけです。

結果がわからないからこそ、そしてどのような結果になるかに
自分の行動が影響を及ぼすと信じられるからこそ、人は自分に
とって望ましい未来を実現することに希望を抱き、それに
向かって勇気をもって行動を起こすことができる、ということを
私はジョアンナのこの話から学びました。それは世界の未来に
関してもそうだし、自分の未来に関してはなおさらそうです。
私たちはつい不確かであることに不安や恐れを感じてしまいがち
ですが、このように不確かであることを逆に力にすることも
できるのです。言い換えれば、不確実性を敵にするのではなく、
味方にするわけです。冒頭で書いたように、未来というのは
そもそも不確かなものであるわけですから、それを敵とする
よりも、自分に力を与えてくれる強力な味方にした方がよりよく
生きることが可能になると思うのですが、いかがでしょうか?
(榎本 英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催イベント>>

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】
・日程:10月23日(金)~25日(日)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円 
・定員:24名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304935/

【天職創造セミナー】
・日程:12月19日(土)・20日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304933/

【天職創造セミナー】
・日程:2016年3月12日(土)・13日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/340746/

<<よく生きる研究所共催もしくは榎本が登壇するイベント>>

【アクティブ・ホープ出版記念ワークショップ&パーティ】
・日程:10月18日(日)
・会場:東京都・代々木 国立オリンピックセンター
・主催:『アクティブ・ホープ』日本語版出版委員会
・参加費:ワークショップ、パーティそれぞれ3,000円
・定員:100名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/326760/

【福島ラーニング・ジャーニー2015】
・日程:11月21日(日)~23日(月・祝)
・会場:福島各地(飯館村、南相馬市、田村市など)
・主催:東北ラーニング・ジャーニー実行委員会
・参加費:53,000円(学生の方は40,000円)
・定員:20名
・詳細・お申し込み:http://bit.ly/1GcR2HZ

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3.よく生きるリソース 「アクティブ・ホープ」
 (ジョアンナ・メイシー+クリス・ジョンストン著 春秋社)

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「アクティブ・ホープ(Active Hope)」とは、直訳すると「積極的
な希望」になります。本書の著者であるジョアンナ・メイシーと
クリス・ジョンストンは、希望には大きく分けて2つの希望がある
と言っています。1つは、一般的に使われる希望で、それは状況が
自分にとって望ましいものであった時に初めて湧いてくる、気まぐれ
で消極的な希望。もう1つは、どんな状況であっても決してあきら
めず、自分ができることをやり続ける能動的で揺るぎない希望です。
アクティブ・ホープとは、後者のような希望を指します。

本書では、戦争やテロ、難民の増大、経済危機、気候変動、環境
破壊、資源の枯渇、種の大量絶滅などどこを見ても絶望してもおかし
くないような一筋縄ではいかない地球規模の問題が山積する現代世界
で生きる私たちにとって、アクティブ・ホープがいかに大切かという
ことと、どうしたらアクティブ・ホープを身につけることができるか、
について取り上げています。そして、アクティブ・ホープを身に
つけるためには、私たちがいつのまにか失ってしまったあらゆるもの
とのつながりを再び取り戻す必要があるというのが著者たちは主張で
あり、そのための具体的な道筋を提起してくれています。

その道筋が「つながりを取り戻すワークのスパイラル」と呼ばれて
いるもので、4つのステージからなっています。すなわち、感謝の
気持ちを感じる、世界に対する痛みを大切にする、新しい目で観る、
前に向かって進む、の4つです。「つながりを取り戻すワーク」
というのは、頭だけではなく、心や身体も含めてつながりという
ものを実感をもって取り戻せるよう、著者の1人であるジョアンナ・
メイシーが開発した参加体験型の実践的手法で、これまで何十年に
わたって世界中で提供されてきているものです。

私はこの「つながりを取り戻すワーク」に約20年前、まだアメリカ
に留学している時に初めて出会いました。留学先であるサンフラン
シスコのCIIS大学院で教鞭をとっていたジョアンナの授業に参加し、
一瞬にしてその優れた理論と手法の虜になってしまいました。その
考え方は、同時期に出会ったコーアクティブ・コーチングおよび
リーダーシップと並んで、以来私の人生哲学の主たる柱になっている
と言っても過言ではありません。

4年前に東日本大震災および福島第一原発事故を経験し、絶望の淵に
立った今の日本にこそ、このアクティブ・ホープが必要だと感じ、
2年前からこの本を日本語で翻訳出版するためにいろいろな出版社に
働きかけました。しかし、なかなか首を縦に振ってくれるところが
なく、それこそ絶望しかけていた時に春秋社さんから「もし1000
冊分の購入予約を取りつけてくれるなら」という条件で出版を請け
負ってもらえることになり、昨年秋から仲間とともにプロジェクト
を立ち上げてその実現に力を注いできました。途中、幾多の困難に
遭遇しましたが、その度に「どんな時にも希望を失わず、心から
望む未来に向かって自分たちができることをやり続ける」という
アクティブ・ホープのスピリットを思い出しながら、プロジェクト・
メンバーと力を合わせて、それらを乗り越えてきました。そして、
ようやくここに本書を世に出すことができ、まさに感無量です。
ぜひ皆さんにもお読みいただければ幸いです。

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4.編集後記

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このメルマガの読者の中にも、今回の『アクティブ・ホープ』日本
語版出版に向けて購入予約などの形でお力添えいただいた方が
たくさんいらっしゃると思います。この場を借りて厚く御礼申し
上げます。

この本に込められたメッセージが1人でも多くに届くことを心から
願っています!

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
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