2014年11月20日木曜日

よく生きる通信 Vol.13「内なる声にしたがって生きる」

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         ★よく生きる通信 vol.13★
           2014年11月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

昨年11月に「よく生きる通信」を発刊してから、ちょうど1年が
経ちました。「何事も1年は続けなければ」と思い、なんとか
スケジュールをやりくりして毎月1回のペースで発行を続けて
きましたが、1周年を機に、今後は不定期での発行とし、時間の
ある時に気軽に発行していこうと思います。

それでは、「よく生きる通信」の第13号をお届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「内なる声にしたがって生きる」
2.よく生きるインフォメーション:
・12/20-21 天職創造セミナー(神奈川・藤野)
3.よく生きるリソース:「ブーバーに学ぶ」
(斉藤啓一著 日本教文社)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「内なる声にしたがって生きる」

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「よく生きる」とはどういうことか?と問われたとき、皆さん
だったらどう答えますか?もちろん、この問いには“正解”はなく、
人ぞれぞれの答えがあるわけですが、私はその1つの大事な要素
として、「内なる声にしたがって生きる」ということがあると
思っています。今回のコラムではこのことについて自分が考えて
いることを書いてみたいと思います。

「内なる声にしたがって生きる」と言った時に、まず出てくるのは
「内なる声」とは何か?という疑問だと思います。私たちの内側
には、つねにいろいろな声が流れていますが、私が「内なる声」と
呼んでいるものは、その中でもなぜだかわからないけど自分の中に
芽生えた、理由や理屈を超えた声を指しています。つまり、それは
心の深いところから湧いてくるような声であり、単なる直観とも
違って、いわば「魂の声」とも言えるようなものです。そういう
声は一度聞くとそう簡単に忘れられるようなものではなく、心の
どこかでずっと気になるような声です。さらに、その声は自分や
周りの人たちの常識や都合に反するようなものである場合が多く、
それにしたがうには何らかの「勇気ある選択や決意」が求められる
というのも大きな特徴です。

私がこのような声の存在を初めて認識したのは、29歳の時、それ
まで勤めていた会社を辞めてアメリカに留学しようかどうか迷って
いた時でした。まず、「留学したい」という想い自体が「内なる声」
だったのですが、会社を辞めるというリスクを背負ってまでその声
にしたがうかどうか決めかねている時、自分の中に湧いてきたのは、
「理由なく何かをやりたいという気持ちは神様に与えられた贈り
ものに違いない」という声でした。キリスト教徒でも何でもない私
に、なぜこのような声が聞こえたのかいまだによくわかりませんが、
その声こそが結果的に私の決断を後押ししてくれたのです。以来、
私は人生の要所要所でこのような声を聞くことになるのですが、
その度に人生の舵を大きく切ってきました。おかげでずいぶん波乱
万丈な人生を生きる羽目になりましたが(笑)。

では、なぜそこまでして私は自分の「内なる声」にこだわるのか?
そして、なぜ内なる声にしたがうことが「よく生きる」こととつな
がるのか?「よく生きる」ためには、まずもって「自分らしく」
生きることが大前提だと私は考えています。そして、自分らしく
生きるためには、他の誰でもなく、自分自身の人生を生きる必要が
あり、それには自分の中のもっとも「自然な」部分を大事にする
しかないと考えているからです。

頭が考えることというのは、それまで自分が学び身につけてきた
知識や考え方にどうしても縛られがちです。そして、その中には
他者の意見や世間の常識といったことも多く含まれています。
つまり、それは自分の中から自然に湧いてきたものではなく、意識
しているかどうかにかかわらず、外部から取り入れたものの影響を
強く受けています。であるならば、人生の方向性を左右するような
大きな選択や決断であればあるほど、自分の中のもっとも自然な
部分である「内なる声」にしたがわない限り、自分の人生を生きて
いるようで、実は他人の人生を生きていることになりかねないと
私は思うのです。

こうした「内なる声」は誰の中にもあります。しかし、その声の
存在を信じ、常日頃から意識的に耳を傾けていなければ、聞き逃し
てしまう可能性が大きいでしょう。その声は自分の中のもっとも
自然な部分ではありますが、頭の声に耳を傾けることに慣れて
しまっていると、それは私たちには届きません。「自然」である
ことと「慣れている」ということは、必ずしも同じではないのです。
でも、あたかも筋力トレーニングをするかのように、意識的に耳を
澄ますよう心がければ、「内なる声」は必ず聴き取れるようになる
はずです。
(榎本 英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】
・日程:12月20日(土)・21日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/211540/

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3.よく生きるリソース 「ブーバーに学ぶ」
               (斉藤啓一著 日本教文社)

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この本はユダヤ人でありながら、イスラエルとアラブの和解の
ために人生を捧げ、両民族から等しく敬愛された「平和の哲学者」
マルティン・ブーバーの思想を、彼の波乱に満ちた生涯をたどり
ながら、哲学・神秘思想の研究家である著者が「争いのない人間
関係を築くための智恵」としてまとめたものです。

もともとこの本を読むことになったのは、私が主催する「よく
生きるカフェ」や「よく生きる塾」に度々参加してくださっている
方が「榎本さんのお話を聞いていると、ブーバーの考え方に非常に
近い感じがするので、ぜひ読んでみてください」とご親切にも
プレゼントしてくださり、興味を持ったからでした。

ブーバーについては、「関係性の哲学」を提唱した人としてその
名前は知っていましたが、その哲学や思想についてはきちんと
学んだことはありませんでした。でも、本を読み進めていくうちに、
それをくださった方がおっしゃっていた通り、彼の考え方には
非常に共感するところが多く、大変おこがましい話ではありますが、
きちんと学んだわけではないのに、どうしてこんなに似ているん
だろうと不思議な感覚を覚えました。

ブーバーが遺した概念でおそらくもっとも有名なのは「我と汝」
というものですが、これは相手を自分と同じ心と魂を持った存在
として見るという意識のあり方で、そのあり方で相手と接する限り、
争いが起きることは決してないと彼は言います。一方、「我とそれ」
というのは、相手をモノとして見る意識のあり方で、相手を利用
しようとしたり、邪魔者扱いしたり、無視したりする時、私たちは
そのあり方に陥っていると言います。

これはこれで幸せな人間関係を築こうと思った時にとても役に立つ
考え方ですが、私がこの本を読んでもっとも共感を覚えたのは、
そのことではありませんでした。私がもっとも共感を覚えたのは、
宗教的および社会的な権威にしたがうことが半ば強要されるような
環境に置かれながら、自分なりの真理を見出すには「内なる魂の声
にしたがうしかない」と、いかなる権威にも追随しようとしな
かったブーバーの生き方でした。

後年、アラブとイスラエルの争いに巻き込まれ、命を脅かされる
ような状況に置かれても、毅然として自らの信念を貫き通したその
姿には、「内なる声にしたがって生きる」ことの美しさと厳しさを
改めて感じさせられました。と同時に、「おまえははたしてどこ
までこの生き方を貫く覚悟があるのか」と問われているような気が
して、読み終えた時に背筋が伸びるような感じがしました。

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4.編集後記

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15年ぶりの著書『本当の仕事~自分に嘘をつかない生き方・働き方』
の出版日が来月19日に決まりました!この日はなんと私の50歳の
誕生日であり、「よく生きる研究所」設立2周年の記念日でもあり
ます。これは偶然そうなったのですが、なんだか意味深い感じが
しています。

「内なる声」にしたがうことで、自分の仕事を創ってきた私のこれ
までの生き方・働き方の原点を、自分や他の人たちの物語も交え
ながら、精魂込めて書きました。ぜひお読みいただけるとうれしい
です。

なお、Amazonですでに予約の受付が始まっているようです。以下に、
そのリンクをお知らせします。
http://www.amazon.co.jp/dp/4820719149

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
いただいた方、およびホームページ等を通じて読者登録をして
いただいた方にお送りしています。

なお、万が一このようなメルマガが送られてくるお心当たりがない方、
あるいは心当たりはあるが購読を希望しないという方は、恐れ入り
ますが、以下のリンクをクリックして購読を解除していただければ
幸いです。
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お問い合わせ:info@yokuikiru.jp

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