2015年8月28日金曜日

よく生きる通信 Vol.17「計画しない生き方」

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         ★よく生きる通信 vol.17★
           2015年8月号
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皆さん、こんにちは。
よく生きる研究所の榎本英剛です。

ここのところめっきり涼しくなり、急に秋の訪れを感じるように
なりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私の方は、先月イギリスのフィンドホーン、そしてトットネスを
訪れる「よく生きるツアー」を初めて実施し、終了後家族とともに
3週間かけて、車でヨーロッパ各国をめぐってきて、先週ようやく
日本に戻ってきたところです。

さて、「よく生きる通信」のVol.17お届けします。
ぜひお目通しください♪

★今号のContents★

1.よく生きるコラム:「計画しない生き方」
2.よく生きるインフォメーション:
・10/3-4   天職創造セミナー(神奈川・藤野)
・10/23-25  アクティブ・ホープ・ワークショップ(長野・女神山)
・12/19-20  天職創造セミナー(神奈川・藤野)
3.よく生きるリソース:「その幸運は偶然ではないんです!」
ジョン・クランボルツ+アル・レヴィン著(ダイヤモンド社)
4.編集後記

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1.よく生きるコラム 「計画しない生き方」

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私たちは計画を立てることをことさら重視する世の中に生きています。
それが事業の計画であれ、人生の計画であれ、旅行の計画であれ、
まず計画を立てなければ何事もできない、そしていい計画なくしては
何事も成し得ない、そんな考え方があたかも当たり前のことのように
共有されています。でも、はたして本当にそうなのでしょうか?

そもそも、人はなぜ計画を立てるのでしょうか?それは、未来を自分
の思い通りにしたいという欲望から来ているのではないでしょうか?
残念ながら、未来というのは本来、思い通りにならないものです。
その本来思い通りにならないものをコントロールしようとするのは、
根底に恐れの気持ちがあるからではないでしょうか?

常に恐れの気持ちを抱きながら物事を進めなくてはいけないとしたら、
それはしんどいですし、創造力も働きません。また、恐れを抱いて
いると、人は視野が狭くなり、柔軟性も失うので、何か予想外のこと
が起きた時、それに建設的に反応できず、その中に潜む可能性を
見出すこともできません。実際、「計画通り」ではない出来事の中に、
その事業にとって、あるいはその人の人生にとってさらなる可能性を
もたらしてくれる種が隠れていることがあるのです。

その一つの例として思い出すのが、私が立ち上げたCTIジャパンという
コーチング・プログラムを提供する会社で、新たにシステム・コーチ
ングというプログラムを提供することを「計画」した時のことです。
当時、そのプログラムはCTIジャパンの提携先である米国CTIが提供
していたので、私たちとしてはそのままCTIジャパンで提供すべく準備
をしていました。ところが、その過程で、米国CTIとそのシステム・
コーチングのプログラムを開発した米国CRRの間で交わされていた
販売代理契約が突如として解約され、CTIジャパンではシステム・
コーチングのプログラムが提供できなくなってしまったのです。
まさに完全なる「計画倒れ」です。しかし、その出来事を逆に活かす
方法を仲間たちとともに模索した結果、CRRジャパンという会社を
別に立ち上げ、さらに両社をつなぐ架け橋としてウエイクアップ
という親会社をほぼ同時に立ち上げました。要するに、子が親を生む、
という普通では考えられないことをやったわけです。これはある意味、
システム・コーチングのプログラムを提供するための「窮余の策」
だったわけですが、その結果としてウエイクアップが生まれたことで、
米国のCTIにもCRRにも縛られない新たな事業やサービスを提供すると
いう、当初の計画にはなかった新しい可能性がもたらされたのです。

以上は、事業というレベルにおける話ですが、個人の人生においても
これと同じようなことは起こり得ます。私は仕事においても、プライ
ベートにおいても、ほとんど計画らしき計画を立てません。立てた
としても非常にざっくりとしたものです。「将来の計画は?」と
聞かれることがよくありますが、「特にありません」と答えると
たいてい驚いた顔をされます。計画がなくても別に困ることはあり
ませんし、常にその瞬間瞬間起きていることから次のステップを
見出していくので、予想外のことが起きても比較的冷静に受け止める
ことができます。

こうした生き方の利点は、心理的な安定が得られること、変化に柔軟
に対応できること以外にもいろいろあります。たとえば、意外性。
計画を立てる時にはある程度未来を予測するのが常ですが、計画
しないということは未来を予測しないので、つねに意外性があります。
そして、何が起きてもそこから新たな可能性を引き出すことができる
という気持ちさえあれば、意外性がある方が計画通り物事が進むより
もむしろドラマチックで楽しいものです。

私は計画を立てること自体が悪いとか、必要ないと言っているわけ
ではありません。いい計画は望ましい未来を実現するための道しるべ
となり得ます。ただし、変化の激しいこの時代において、一度立てた
計画を金科玉条のごとく奉ってそれにしがみついていると、変化の
中の福音を取り逃すことになりかねません。「朝令暮改」という言葉
は一般的にマイナスの意味で使われますが、上記のことを考えると、
むしろそれくらい計画を柔軟にとらえた方がいいのかもしれません。
計画はあくまで計画ということで、いつでも手放せるよう心の準備
をしておきたいものです。
(榎本 英剛)

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2.よく生きるインフォメーション

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<<よく生きる研究所主催もしくは共催イベント>>

【天職創造セミナー】<残席あとわずか!>
・日程:10月3日(土)・4日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304932/

【アクティブ・ホープ・ワークショップ】<絶賛募集中!>
・日程:10月23日(金)~25日(日)
・会場:長野県・上田 女神山ライフセンター
・参加費:65,000円 
・定員:24名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304935/

【天職創造セミナー】<絶賛募集中!>
・日程:12月19日(土)・20日(日)
・会場:神奈川県・藤野 無形の家
・参加費:45,000円 ユース割引(30歳未満)30,000円
・定員:18名
・詳細・お申し込み:http://kokucheese.com/event/index/304933/

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3.よく生きるリソース 「その幸運は偶然ではないんです!」
 (ジョン・クランボルツ+アル・レヴィン著 ダイヤモンド社)

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著者の一人、ジョン・クランボルツ氏は「プランド・ハップン
スタンス(Planned Happenstance)」と彼が呼ぶ異色のキャリア理論で
知られるキャリアカウンセリングの分野の大家です。氏とは直接
お目にかかったことはありませんが、そのお名前と考え方は今から
15年ほど前、私がこの本の訳者である慶応大学の花田光世教授たちと
キャリアリソースラボラトリーの活動を一時期ご一緒させていただ
いていた時によく耳にしました。

「プランド・ハップンスタンス」とはそのまま訳すと「計画された
偶然」という意味になります。これはどういうものというと、
キャリアの形成において、自分や周りの環境をしっかり分析して、
用意周到な計画を立て、それを確実に実行していくという従来の
やり方とは異なり、むしろ積極的に偶然が起こるように周りに働き
かけ、その偶然を活用してチャンスをつかむというやり方です。

この本では、その理論というよりも、こうしたプランド・ハップン
スタンス的なやり方で実際にキャリアを形成した人たちの事例を
数多く取り上げ、従来的なやり方よりもいかに効果的かということ
を伝えています。取り上げられる事例はもちろんアメリカの事例
なのですが、もしも日本の事例が知りたいという方は、この考え方
に触発され、知人の所由紀さんが書かれた『偶キャリ。』(経済界、
2005年)をぜひご参照ください。実は、この本には偶然からキャリア
をつくった人として10人ほど紹介されているのですが、そのうちの
一人として私が取り上げられています。その時自分が言ったことが
書き出しのタイトルにもなっているのですが、「デザイン通りに
生きるのではなく、生きながらデザインする」ということ。その考え
は今もまったく変わっていません。

今回のコラムで取り上げた「計画しない生き方」がキャリアデザイン
やライフデザインという観点から見た時に具体的にどのように表れる
のかにご興味がある人はぜひこれらの本を手に取ってみてください。

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4.編集後記

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実は冒頭で書いたヨーロッパの家族旅行においても、今回のテーマ
である「計画しない癖」が存分に発揮されました。パリでレンタカー
をして、おおまかに行きたいところはあったものの、まったく土地勘
のない異国で、しかも家族を連れて実際どこまで行けるかはまったく
わからず、宿の予約もその前日までせず、毎日明日はどこへ行こうか
という感じで決めて動きました。

それこそ用意周到な準備など何もしていないので、まったく予想も
しなかったようなハプニングがいろいろ起こりましたが、同時に
意外な喜びもたくさん味わいました。そして、何よりもよかったと
思うのは、そういうハプニングを家族とともに乗り越えることで、
より家族との絆が深まり、家族としての強さを身につけたような
感じがすることです。帰国してからの話題もどこへ行ったとか、
何がきれいだったということよりも、なぜかそうしたハプニングに
関することばかりです。

人生はよく旅にたとえられますが、人生においても、やはり後で
振り返った時に一番心に残っているのは、計画通り物事が進んだこと
よりも、もしかしたらそういう予想もつかないような意外な出来事
なのかもしれませんね。

(発行責任者: よく生きる研究所 榎本 英剛)

※この通信は、これまでよく生きる研究所のイベントにご参加
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